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【サイコ その他小説】

僕の最初へ 僕 0 僕 2 僕の最後へ

-1

目が覚めると其所には誰もいなかった。真っ暗な夜空と妖しく、円く輝く月が僕を照らしていた。

「あ・・・・・・レ?」
気が付いた僕は体を起こそうとして違和感を覚えた。「・重・・・イ?」
僕の体が何かに乗しかかられているようなのだ。
「・・・重い」
僕は僕の上にあるモノをどかそうと手を触れた。



・・・・・・ぴちゃ、


「・・・・・・ぇ・?」
ソレに触れたときそんな音がした。
触れた手には粘着性のある液体がついていた。
「・・・・・・。」
僕は手を口元に持っていきその液体をなめてみた。鉄のような味が口に広がった。
「・・・こレ、血?」
僕が舐めてしまったのはもう冷たくなった血液だった。
「ウ、うヮぁァァ〜〜ぁ」僕は直ぐにソレを体の上からどかそうとした。
だが僕はソレを退かそうとするあまり気が付かなかった、それが人ととして・・・・・いや生物として重大な何かが欠けているのを。そして、僕はその欠けた何かを見付けた。
「ひィっ!!」
ソレは、本来胴に付いているはずのモノだった。即ち人の頭だった。

・・・・・ゴロン

「イっ、ぃうヮァぁ〜〜ァっ」
僕はソレと目が合った。
「ひィいャぁァ〜〜ぁアァ〜。」
僕は体に乗っているモノ振り落としその場から逃げようとした。が、体の上にあるモノを振り落としたにも拘らず僕は逃げられずにいた。
「・・・・・ォ、女の、ひ・トぉ?」
転がっていたモノは長い金髪の女性の頭だった。整った顔と青い目が印象的で生前はとても美しかっただろう。・・・生前は、の話だ今は左目を刳り貫かれ白く綺麗な頬は、切り刻まれ今は見る影もない。
「・・・っッッっくゥっ」
〈彼女〉の顔を見たとたん僕の頭の中で小さな爆発があったような痛みが走った。
すると閃光のように風景が浮かび上がった。




其所には僕と〈彼女〉が向かい合って立っていた。

「・たね、・の・魔・するつ・り?・・、邪・させ・いか・ね」
〈彼女〉がそう言って僕に銃を向けた。
「・うとう・心に・われたん・ね。・・・分・た・・通りキ・をコロシテあげ・よ」
そう言って僕は手に持ったナイフを逆手に握り直した。



「くゥッ〜〜っ、・・・今のハ?。・・・・・ッ・な、ナイフ!」
僕は〈夢〉の中でナイフを握っていた自分の手に目を向けた。
「・・・・・・・・・ッ!」
僕は血に濡れたナイフをしっかりと『右手』に握り絞めていた。
「わッ、ワあァァぁァ」
僕は手に持っていたモノを投げ棄てた。
・・・・・・トサッと音が遠くの草むらから聞こえた。
「コれ、・・・こノ人ヲ僕が・?・・・・・・・・・?僕?僕、・僕ッて、ダ・れ?・・・・・・・・・・・・・くゥッ、あッ・アた・まガ」
僕の意識は暗い闇の中に堕ちていった。


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