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高校生的留守番生活。
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高校生的留守番生活。-1

「じゃあ行ってくるわね〜」
 ガチャン…と、玄関のドアが閉じられ、母とその友達が遊びに行ってしまった。
「なんなんだよ…ふざけんな…」
 一人呟く俺、岩沢 幸也。俺が今、不機嫌なのは理由がちゃんとある。
「よっしゃ〜。幸也兄ぃと一緒だ〜」
 なんだか楽しそうにしているコイツ、神下 陣。小学1年のクセして、かなりの強者。口喧嘩では中学生程度では負けるだろう。高校生の俺でもてこずるのだから。
 母の友達が毎週連れてくるのだ。
 いつもは陣も連れて出掛けるのに、今日に限って陣を置いて行きやがった。
ったく、ふざけんな…。
「ねぇ、幸也兄ぃ」
「んだよ?」
「コーヒー買ってこい」
 は!?家に取り残されて、まだ10分。いきなり俺にパシリになれと!?
「俺をパシリにすんな!!しかもなんだ?小一が偉そうにコーヒー飲むな!!」
「あ?見た目は子供、頭脳は…」
「頭脳も子供だろぉがッ!!」
「人の決めゼリフを途中で中断すんな!!」
「あ?今どのような場面で決めようとしたんだ!?」
「コーヒーの場面だ!!」
 …昼時からこの死闘。
 今ので分かったであろうか。陣の素晴らしさ(?)が。
 110cmあまりの身体から繰り出す、暴言、暴言、暴言。
 頭が良いのはいいことだが、悪巧みしか考えられない問題児・陣。確か、学校からも危険扱いされてるそうな。
「幸也兄ぃ、腹へった。冗談抜きで」
「あー、そういや食ってなかったな」
 確かにお腹から悲鳴が聞こえる。
 冷蔵庫を開けると…案の定、作り置きなんて便利な制度、うちにはない。
「しょうがねぇ。チャーハンでも作るか」
「蟹と最高級食材を使った、本場のチャーハン頼んだぞ」
「バカは黙ってなさい」
 陣を軽くあしらい、台所へ立つ。

さぁ、ここからは俺と食材との戦いだ。
 俺の料理三原則は、美味い!速い!よく分かんない!でなりたっている。よく分かんない、と言うのは本当によく分かんないから。
「いざ、尋常に勝負!!」
 フライパンに卵を流し込み、手早く掻き交ぜる。
 ちょっとコック風に半熟にしてみたりする。次に冷えた御飯を入れ、パラパラになるように早く掻き交ぜる。後は醤油か何らかで味付けをし、適当にウィンナーかなんかの具を突っ込み、完成。
「幸也スペシャルチャーハン!!XX-302改」
「マズイ。却下」
「まだ食ってねーだろ!!」
「そもそもチャーハンに半熟卵はねーよ」
「……」
 改めて自分の無知さに気が付く俺。
どうする?このまま食べさせるか?うん、陣は腹へってんだ。イヤでも食べるだろ。よし、食べさせよう!!
「よし陣!!ほれチャー−−」
「やっぱお昼はおにぎりに限るぜ〜」
 もしゃもしゃと鮭おにぎりをテレビの前で貧っている陣。
 側にはコンビニの袋。しかもすでに1個が食われている。
 ちくしょー…おにぎりに負けた…
「ぬぉ?来週はアンパ〇マン最終回じゃん」
 ふとテレビを見て陣が呟いた。
テレビの中ではあんパンっぽい人が泣いている。
 確かこれ、あんパンがバイキンみたいな、なんか黒いやつ倒してイェーイなアニメだったよーな…子供の頃2、3回みたことあるよーな…。
「ジャムおじ〇んが手首骨折しちゃったからパン作れねーし…バ〇子さんと食〇ンマンとの恋愛模様も気になるし…。あ、でもそこにカレー〇ンマンが入って三角関係になっちゃったんだ…。主人公のアンパン〇ンは京都に単身赴任中だし…あー!!気になる!!」
 なんか物凄い人間くさいドラマな気がする…。
 とりあえずチャーハン食べよ…。


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