高校生的留守番生活。-2
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「な〜、幸也兄ぃ。これ母さんからお使いだと」
そう言って手渡した、一枚の紙切れ。
「ん?なんだ?」
紙を見ると、
【・チェーンソー
・マスク
・大きいレインコート
よろしく頼むわね♪母より】
「ジェイソ〇か!!!」
「良いじゃんジェイソ〇でも」
「良いわけねー!!」
ダメだ、これを買うわけにはいかない。殺人鬼に加担してどーする幸也!!
落ち着け俺…。
「どうすんの?幸也兄ぃ」
「敢えて無視」
「どうすんの?幸也兄ぃ」
「何?それは遠回しに買いに行けって言ってんの?」
「ほんと理解力ねーなバカ」
「結局お前は何が言いたいか分からない」
「お使いなんて行かなくていーの」
「は?前半と主張が随分違うぞ」
とりあえず、ジェイソ〇には加担しない。ということで、可決。
陣は相変わらずテレビを見ている。
「んぁ、ウルトラ〇ンも最終回かよ」
残念そうに陣が呟いた。
「ウルトラ〇ンは街壊してっから損害賠償裁判起こされてんだよなー」
なんだかな…。 最近の特撮は裁判までもつれこむんだな。っていうか、子供にこんなん見せちゃいけないと思うのは俺だけ?夢ぶち壊しだよねコレ。
「あ、敗訴」
バッドエンドきた!!!!!
テレビではエンディングロールが流れ、一般市民が笑顔ではしゃぎまわっている。当のウルトラ〇ンは泣き崩れ、「オ、オレは、一般Peopleを守ろうとしただけ…」と、悲しんでいる。
正義の味方を裁くなんて…地球はすげー…。
〜〜〜
さて、時刻は午後6時。そろそろ親たちが帰ってくる頃だ。やっと陣が帰ってくれる。いや、…今日はあまり問題児ぶりを発揮しなかったから良かった…。
ってあれ?陣が…いない。
ガンガンガンガンガンガン…
「ぬ?」
音のするほうは階段。とりあえず階段のほうに探しに行ってみる。
「お?幸也兄ぃ、危ない!!」
「ぎゃああああ!!」
階段を転がってきたのは、バケツが10個近く。全てが俺の顔面にクリーンヒット。
「な…何を…」
「や、俺の本領発揮ってヤツ」
「んな…」
本当だったらぶん殴ってやりたいところだが、顔の痛みでそれができない。
「さぁ、第二幕行ってみよう!!」
そういってリビングのほうに消える陣。