fantasy ability・4‐崩れだす日常‐-5
「そこら辺にいるから。もちろん、お前を監視するためだ。帰りも、迎えに来る。」
「「はい。」」
‥やっぱ、監視されるのね。‥‥
「当たり前だ!逃げれると思うな!じゃあな。」
そう言って、誠慈さんは車で去っていった。
「‥‥光先輩、行きしょうか?」
「‥そうね。」
周りの視線が‥‥‥‥‥痛いし、恐いし、それだけで、殺される勢いがあった。‥‥‥‥‥むっ、後に一筋の殺気が近付いて来る‥‥‥
〈ブォン‥‥スカ〉
「ふっ、甘い!」
〈ブォン‥‥スカ〉
「それも、見切った!」
〈ヒュン‥ゴン!‥ゴロゴロ‥‥ドテッ!〉
「皇、甘いぜ!とうだ!新・必殺技‘デス・トライ・シューティング’の味は!?」
「‥‥‥ッ!あのな!いつもくらっている、こっちの身にも、なってみろ!」
「むぅ。威力が弱いな。改良の余地があるか。」
「‥‥あのな、隣にいる光先輩に当たったら、どうするつもりだ。」
「それはない。何故なら、ロックオンシステムがある、超小型ミサイルだからな。」
「‥おい!ミサイルって、何だ?ミサイルって!俺を殺す気か?」
「うん。」
「〜〜〜〜〜」
「生きてるから、いいじゃん。じゃあ、光先輩!コイツ、連れて行くので、失礼しました。では。」
「あ、待って!あの、お昼、一緒に食べない?」
「‥‥‥‥すみません。遠慮しときます。」
「‥‥‥そう。残念ね。ごめんなさいね。」
「‥‥いえ。すみません。では。」
‥‥珍しく、仁が美女の誘いにのらなかった。何故?‥‥‥と、思いつつ、耳たぶを引っ張られながら、仁の後を付いていく。
「イテテ、おい、仁!耳たぶを引っ張るな!千切(ちぎ)れる!‥‥では、光先輩、帰りにまた、会いましょう!」
「‥え、ええ。」
『‥‥“彼”はやはり、罪神なの?“心”がまったく読めなかったわ。』
教室に入った途端、クラスメイトからの第二回目の質問攻めがあったが、何故か、仁がその場を抑えた。しかし、その後は、何事も無く、いつもの日常に戻った。
‥‥何で、昨日の“奴等”はチャンスなのに、襲って来ないだろう?‥‥