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ふたり
【幼馴染 恋愛小説】

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ふたり【エリカ2・14】-1

キーンコーンカーンコーン 「起立、…礼!」

「あー、宿題はさっきのプリントなー。10分で終わるからしっかりやってこいよー。」



あたし、斎藤英梨華。
今は…早速プリントを解き始めたあいつをチラ見したところです。

長所はやっぱり明るさ!
……のはずなんだけど、いつもお昼が一緒の香織と美沙に『最近、大人しいね』って言われちゃった。

……理由は分かってる。
……犯人は…あいつ(チラッ)
・・・えぇ〜〜!?
もうプリント終わってる! 所要時間3分!? 頭よすぎでしょ!?

──ドキンッ

……まただ。
最近いつもこうなっちゃう。
あいつが前の席の男の子と楽しそうに話してる。

あの笑顔を見ると………ドキドキして……あぁ〜もうヤダ〜〜!!


はぁ……最近いっつも、あいつのコト考えてばっかり。

……思春期だなぁ。

……あいつ最近、背伸びたなぁ。
ずっと同じ身長だったのになぁ。
…まだ5cm位しか差ないから、背伸びしなくても届くよね。……なんてね。

それでも…笑うと出るえくぼに八重歯とか、子供みたいな綺麗な顔とか、サラッサラで長めの髪とか……変わらないなぁ。

『かわいい』って言われると機嫌悪くなる所とか、声変わりもまだなのに大人ぶってる所とか、でもあたしが泣くとカチーンって固まっちゃう所とかも……フフッ、…変わってないなぁ。


……でも、あたしの中であいつはどんどん大きくなってきて
……どうしようもなくて

……二ヶ月くらい前かな
……キス…しちゃった


あいつもビックリしてたけど、あたしも…よくそんなコト出来たなと思う。
……なんか久々にあいつに優しいこと言われたから、頭がカ〜ッとなっちゃって、気付いたらしてた…みたいな感じかな。

その後もあいつとは気まずくなったりとかは無くて、いつもと何も変わらない毎日。……表面的には。

ホントは……このドキドキが伝わってしまわないかすごく不安。


だからかな……
いつもなら朝、一緒に学校に行くときに渡すのに
……渡せなかった。

早く渡してスッキリしたいんだけど、休み時間になるたびに………


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