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『凛』王朝
【ファンタジー 恋愛小説】

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『凛』王朝〜殺し屋の少女〜-2

『全く、本当にお前は私にふさわしい部下だ。その余りある悪心と強さ、今日も私のために使え。』
『承知の上でございます。』
『詳細は、遼(りょう)に伝えてある。終われば、また褒美をやろう。』
『ありがたき幸せにございます。』
『行ってよい。』
『はっ。』
そして黎は、走るように王の間を出て、神殿の間に向かった。
神殿の間は、城の中でも王の間の次に、美しく広く綺麗な間だ。そこを黎たち5人は褒美として貰い、戦略などを練ったり、生活を共にする。5人が5つの時からだ。
『おい、遼。黎が戻ってきたみたいだぞ。』
5人の中で一番口数が少ないが剣の腕は一流の、龍(りゅう)が言う。
『本当か!?』
黎を心から慕い、黎のためなら殺しでもなんでもする、武術は一番の猛(たける)が嬉しそうに、ベッドから起き上がる。
『てか、あいつどこ行ってたんだよ。』
医術を持ちながら、そこそこの強さも備え持つ、悠(ゆう)は薬を測っている。
『王の所だ。仕事が来た。あいつが戻ってきたとゆう事は、そろそろ出発だな。』
メガネを外して、ゆっくりイスから立ち上がる。剣術武術、共にかなりの強さを持ち、気を使う特別な術も使える。サブリーダーの遼。黎にとって欠かせない男だ。
『仕事ぉ!?』
他の3人は同じ反応で驚く。知らなかったらしい。
『遼!お前はいつもいつも、何で肝心な事を言わな』
猛がそう詰め寄っていると、
『遼!龍!猛!悠!出立の準備だ!』
黎が部屋に入ってきた。
黎は、女ながら限りない力を持つ。剣術は横に出るものはいない。頭も賢く、黎の勘は外れない。その上、生まれ持った神力があり、大抵の事ではやられないのだ。
この5人は日本古来の忍のようなもので、普通の人間では考えられないほど脅威の力がある。最強なのだ。
『黎、お帰り!』
猛が嬉しそうに声をかける。
『ただいま。猛も早く準備しろ。』
『おう。』
黎の言うことなら、素直に聞く猛。
『遼、今日の村は?』
『鹿島(かしま)だ。人数は300人。剣や銃を主に扱う地域だ。』
『鹿島か…。遠いな。』
悠が言う。
『遠かろうが関係ない。』
黎は言い放つ。
『そうさ!仕事があれば、奴らを殺せる!』
笑いながら龍が言う。小さい頃からの徹底した叩き込みで、人殺しを生きがいにするようになってしまったのだ。
『そうだな。人数は300人。一人60人だ。』
遼が答える。
『60人〜?少ねえな。』
不満そうな猛。
『文句を言うな。だいぶ殺し尽くしてきて、日本人自体少なくなってるんだから、仕方ない。』
悠は冷静だ。
『とにかく行くぞ。久々に腕が鳴る。』
黎がそう言ったと同時に、5人は神殿の間から飛び立った。

後から思えば、罠はここから始まっていたのだ。あれほど人を信じるなと言い聞かせたのに。人間なんてのは、所詮こんなもの。所詮、神の玩具でしかないのだ。ただの、動物でしかない。

第二話〜中国と日本〜へ続く。


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