おほしさま-４--3
〜〜〜
〜一年後〜
俺は、最後に沙織と星を見た場所に来ていた。サンドイッチを持って、イスを２個用意して。
そしたらまた、沙織の喜ぶ顔が見れる気がして。……また、抱きしめることが出来るような気がして…。
空には満天の星空。
真っ黒なキャンパスに浮かぶ無数もの煌めき。沙織が死んだ時と、輝きは一緒だ。
「沙織…ゴメンな。俺、やっぱり一人では生きられないや」
ボソッと呟く。
あれから、人と喋るのは百合乃ぐらいだし、食べ物だってろくに食べてない。
毎晩、毎朝、沙織を想い涙を流すだけ。
−−果たして、生きる意味は？
抜け殻のように毎日を過ごす。そんなんだったら死んだほうがマシだ。死んで、沙織と一緒に永遠にいようじゃないか。
右手にはカッターナイフ。
首には沙織の指輪をつけたネックレス。
指には俺の星の指輪。
目には涙。
心には沙織。
「俺も、沙織の元へ。」
左手に、赤い線がひかれた。
end
…next act《沙織》