おほしさま-3--4
「宏輔…ありがとう…」
「ん。晴れでよかった。あ、弁当作ってきたけど…食うか?」
「たべるー♪」
弁当の中身は、サンドイッチ。
簡単だけど、俺の1番の得意料理だ。
「おいし〜…」
沙織はおいしそうに口を動かす。
自然に顔がニヤける。
「…沙織にプレゼントがあります」
「…え?けほっ…ごほっ…本当に?」
「とりあえず水飲みなさい」
サンドイッチをむせながらもちゃんと聞き返す沙織。
「ほら、星の指輪」
銀の指輪に、流れ星のマークがついたもの。今日…というか、日付が変わっているから昨日か。街で買ったものだ。
もちろんペアリング。
「すごい綺麗…」
「だろ?探すの苦労したんだから」
「願いごと叶うかな?」
「叶うよ。きっと。…ところで、何を願うんだ?」
「教えな〜い〜」
「なんだよ…」
「へへへー」
嬉しそうに指輪を嵌める沙織は、どことなく、そう、どことなく、悲しげだった。
〜〜〜
二人の楽しい時間は惜しくも過ぎてゆき、空では太陽が地平線から顔を出し始めた。
色んなことを語った。昔二人で遊んだ思い出、俺が恥ずかしながらも告白したことや、耳を真っ赤に染めて頷いた沙織。今となっては全て、全て…素晴らしい思い出だ。
「ん…良い朝だね」
背伸びをして、沙織が言う。
「大丈夫か?疲れてないか?」
夜3時から外にいるのだ。大丈夫なのかはずっと気にしていた。
「ん…ちゃんとお昼寝したし、大丈夫だよ」
「よかった…」
「じゃあ…朝1番でぎゅうッてして…」
「しょうがねぇなぁ」
早く早く、と腕を延ばしている沙織に近付き、ぎゅっと抱きしめる。
沙織からは、いつものようにお日さまの香りがする。