おほしさま-3--3
〜〜〜
翌日。
俺は隣町に来ていた。
なぜなら、俺の村はド田舎で。
明日、星空の下で美味いものを食べさせるため、比較的栄えている隣町にきていた。
「トマト…っと、野菜野菜…」
前から貯めていた貯金を全部使い果たすつもりできた。
こんなときまでけちけちしてる場合じゃないし。
「よし…料理素材完了ー」
とっておきの料理を作るための素材は買い揃えた。あともう一つ…買うだけ。
喜ぶ沙織の顔を思い浮かべ、寒風まきあげる街をあるいた。
〜〜〜
真夜中、病院。
「さみぃ…」
やはり11月の夜は冷える。
真夜中、みんな寝静まっているであろう病院に近付く。
予定では窓の中から入る予定だ。ちゃんと沙織に開けとくように言っといたが…。
音を立てないように窓を開ける。
キィ…
よし、開いた。
靴を脱ぎ、部屋に侵入する。
部屋には、沙織がぐっすりと眠っていた。
「さおり…起きろー…」
「ん…ぅ、宏輔…」
まだ夢の世界なのか、しきりに目を擦っている。
時刻は午前3時、そろそろだ。
沙織の余命は今日を入れてあと二日。時間がない。
「外、出よう。」
もうすでに歩けなくなっている沙織をおぶり、再び窓から外に出る。
窓の外には椅子を2脚、小さいテーブルを1台用意しておいた。天気も快晴、素晴らしい環境だ。
「んしょッ…っと」
沙織を椅子に下ろし、毛布をかけてやる。
「では沙織さん、上を見上げて下さい」
「…ふぁ…綺麗…!!」
頭上には、満天の星空。いくつもの流星達が、地面に向かい降り注いでいる。
とにかく、言葉では言えないほどの輝きだった。