刃に心《第1話・出会いは闇討ちと共に…》-7
「そうだけど…君は…」
───ドン!
そして…
───ギュッ!
「会いたかった…」
「えっ!?ええぇえ?な、何?何なんだ?」
女剣士の身体がぶつかってきたかと思ったら、疾風はそのまま抱き付かれた。
そして、耳元でソッと会いたかったと…
「ちょっ…ちょっと…待って…」
生々しい吐息と体温に、彼のメインコンピューターの処理能力が限界に近付く。フリーズ寸前の危うい状態。
「こんな所にいたの」
暗闇から新たな人物。
「母さんが遅い…って……」
霞の言葉が止まる。
現在の状況…人影の無い公園で抱き合う二人…
霞は手をパーとグーにしてポンッと叩くと…何か納得した様な顔で、そのまま暗闇に戻っていった…
「ま、待て!これは誤解…」
と言っても、もう霞の姿は無く、相変わらず抱き締められたまま…
「一体…何なんだああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」
彼の悲鳴の様な叫びは薄暗い闇に木霊していった。
続く…