ふたり【お泊まり・結】〜二回目の……!?〜-5
「いいんだよ。エリカはずっと俺を看ていてくれた。……それだけで充分だ。 ありがとう、エリカ。」
顔を真っ赤に染めるエリカ。
「ううん、いいの。……ユキが風邪ひいたの、あたしのせいだから。」
「そんなこと──……!」
……そこで俺の口はふさがれた。
ゆっくりと、しかし確実に降り続く雪。
外は一面、美しい銀世界
「……エリカ…」
「…き、昨日のお礼…。…ほらっキ、キスすれば風邪ってうつるって言うじゃない? 今のであたしにうつって、ユキは元気になるの!」
表情がめまぐるしく変化するエリカを見てたら笑ってしまった。
「ハハッ、なんだよそれ。……エリカ、お前ホントばか。」
「…黙りなさい。」
「いて、痛てててて!」
お互いファーストキス。……をしたばかりとは思えないような光景。
……その後、俺は極上のおかゆを食べてすぐに眠った。
―・―・―・―・―・―
「──起きろ、ばか息子」
「──…ぅん?…ぃ、いて!痛てててて!」
おもいっきり頬をつねられた。
目を開けるとそこにいたのはなんと薫。(←遊輝の実母)
「……え?……なんで?」
「フゥー、あや姉から連絡があったんだよ。ユキが熱出したって。
……元から乗り気の旅行じゃなかったから、すっとんで帰って来たの。」
時計を見ると7時。外は真っ暗。
「ほら、早く帰るよ。いつまでもここにいたら、ふたりにうつしちゃうじゃない。」
薫はそう言うと、遊輝を軽々と持ち上げおんぶした。
玄関で薫は「ほら、なんか言いなさい」と言って、おぶさっていた俺の体をずらして、みんなに顔が見えるようにした。