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ふたり
【幼馴染 恋愛小説】

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ふたり【お泊まり・結】〜二回目の……!?〜-4

「そんなことない。…なんとなく目が覚めて、コタツに入ってたら寝ちゃっただけだ」

「ほんとに?あかねのコト嫌いになってない?」

「ああ、…あかねのコト嫌いになんてなるもんか。」

あかねが俺の腕に抱きついてくる。昨夜のように。


「……初雪だね」
「…うん」

「…綺麗……だね…」
「……うん」

俺はしんしんと降り続く雪が見えるガラス戸に目線を送っていた。
雪に魅とれていた俺には、あかねの動きが見えなかった。


不意に、突然に、無警戒の頬になんとも覚えのある感触。
温かくて、柔らかい

ただ、一つ昨夜と違うことがある。
…長い。

何がなんだか分からなかった昨夜とは違って、実感するあかねの唇。

そっと離れる。


「……にかいめだね。」

俺は首を少し回してあかねを見る。
…すごく嬉しそうな顔をしている。


「お兄ちゃんが弱ってる今がチャンスって思ったの。」

小悪魔みたいな顔して言うあかねを見て、俺は笑った。
あかねも笑った。

なんだか幸せな気持ちになった。


「・・・あっ!エリカは?…もしかして台所?」

瞬時に変わるエリカの顔。声もいつもの調子に戻る。

「……おかゆ、温めに……」

おかゆ、と言った時点であかねは飛び起き、台所へパタパタ走っていった。


それを見送った遊輝は、風邪とは思えないような柔らかい顔付きで、目を閉じた。


目を閉じてしばらくすると、近くに誰かが座った。


「…エリカ…か?」
俺はそう呟いて目を開ける。

「ユキ……今、おかゆできるからね。」

優しい顔。
…エリカがこんな顔をしてるのはあまり見たことがない。

「……エリカ、どうして……戻ってきた?」
するとエリカは複雑そうな笑みを浮かべる。

「あかねがね、『せっかくふたりで美味しく作れたんだから焦がさないようにしないと!エリカ、焦がすの達人なんだから!交代、交代!』って。」

「プッ、クク」

「も〜、笑わないでよ〜。」
ふくれっ面になるエリカ。

普段ならもうちょっとイジってやる所だが、風邪で弱っているせいか本心が出た。


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