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ふたり
【幼馴染 恋愛小説】

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ふたり【お泊まり・結】〜二回目の……!?〜-3

「ユキ……。」

声がした方に目を移す。
視界の右斜め下にエリカの顔を見つけた。

エリカは俺の手を両手で握っていた。

エリカはその手を離して、俺の頭のすぐ横に場所を移す。


「……熱。……38度もあったよ。」

エリカの後ろに位置するガラス戸からの逆光と、視界がぼやけているせいでエリカの表情は分からない。


「もぅ、コタツなんかで寝るからだよっ」
エリカはそう言うと、俺の頬に手をあてる。

誰のせいだよ、まったく……

何故か笑ってしまった。


「おかゆ、温めてくる」
エリカは「待ってて」と言いながら台所に小走りで向かった。


ガラス戸の上についている時計を見た。
──12時

しばらくなにも食べてないのに腹が減らないのは風邪だからだろう。

大きく息を吸って腹を膨らましてみる。
胃は空っぽだから、それほど膨らまない。

息を吐き出している最中、胸の上にある何かが動いた気がした。

自由になった右手でそれに触れてみる。

……手だ。

左に顔を向けようとしたが、なかなか首が回ってくれない。
目を瞑り、歯をくいしばって首を回す。


目を開けるとそこには、あかねの寝顔。
あかねは俺に添い寝してくれていた。


「……ん………んぅ…」

あかねの目がうっすら開く。
俺は首にグッと力を入れて元の位置に顔を戻した。


「……大丈夫?お兄ちゃん」
「……うん、大丈夫。」

正直きついけど、余計な心配かけたくないからな。


「お兄ちゃんの胸、さすってたら寝ちゃった。
……重かったでしょ?
……ごめんね。」

急に消え入りそうな声になるあかね。
俺がそんなことない、と返そうとするがそれをあかねが遮る。

「ちょっとだけ……悲しかった。……起きたらお兄ちゃん、いなくなってるんだもん。
あかねと一緒に寝るの、ほんとは嫌だったんでしょ?……それなのに、あかねがあんな事したから……ごめんね、お兄ちゃん。
あかね、お兄ちゃんに風邪ひかせちゃった。」

最後の方は声が震えていた。

抱き締めてやりたかった。しかし思うように動かない自分の体が歯がゆい。


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