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『コワレユク日常』
【同性愛♂ 官能小説】

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『コワレユク日常』-3

『えっ…いや、それは…』
しどろもどろで俯いて。
『顔見られながらの方が、恥ずかしいと思うけど?こう足を持ち上げられてさ』
ジェスチャーで、示されて追い打ちを掛けられる。
仕方ない…枕に顔を押しつけて、臀部を曝け出す。
ア〇ルに湿った指が触れて、身体が強ばる。
『力抜いて…』
そう言われるけど、極度に緊張して身体がいうことをきかない。

『あのさ、笹川。気休めにもならないかも、知れないけど…』
そう切り出した、君の言葉に俺は耳を傾け始めた。
『どっかの国の昔話っていうか、神話っていうかにこんな話があるんだ』
君の指はまだア〇ルにあって、ゆっくりとほぐすように擦っているけど、だんだん気にならなくなっていって。
『昔な、人間には“男”と“女”と“男女”って3種類居たんだっていうんだな』
『それで?』
つい、俺は続きを促していた。
『だけど、その人間たちは誰もが、自分自身にしか興味を持たなくてすごく自分勝手で、神様が怒っちゃって』
『うん…』
『それで、怒った神様が人間たちをそれぞれ半分にしてしまったんだと。その時からさ、人間は片割れを求めて彷徨うようになったっていうんだな』
『つまり、それって?』
『同性愛でも異性愛でもさ、等しく失われた半身を求める行為だと思えば、少しは心が軽くならないか?』
話の内容よりも、俺の気持ちを考えてくれる君の気持ちが、正直、嬉しかった。
すっ…と君の指が侵入してきて、俺は思わず異物感に顔をしかめる。
徐々に指を増やされ、広げられていく俺の内部。

『いくぞ?』
腰を掴まれて、熱いモノが一気に貫いて。
『ぎっ…ひぃ!…痛ぁ…』
あまりの痛みに絶叫する。
『ごめん、我慢して。お前のがぎちぎちに締め付けてて、どうにも動けないし』
俺の中に埋めたまま、そろりと前に手を伸ばして、また俺のは弄ばれる。
痛みの中にじわじわと、甘い疼き。
それを見定めたかのように、君がゆっくりと動きだす。
『笠…は…らぁ…』
『下の名前で呼んでよ。翼…』
そんなの、恥ずかしいじゃないか。今、下の名前で呼ばれただけで、こんなに恥ずかしいのに……
だけど、だんだんと、君の動きが責め立てるように激しさを増していく。
『あっ…やっ、渉!わた…る…』
いったん口に出したら、堰を切ったように君の名前が溢れ出る。
自然の摂理に逆らって、DNAの本能に抗らって、それでも君とこうしていたいという思いは――

コワレユク日常、トケテユク自分

このまま、墜チテユケル?
どこまでも、二人で


[完]


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