不思議な宿泊♪-4
「ちょっ…ちょっと…梢…さん?…な、何を…していらっしゃるんでしょうか……?」
「私も…知広を…愛してる…だから…だから…」
梢は手を止めることなく、ボタンを一つずつ外していく。白い肌と…少し言いにくいものが見えてきて…
「って待て、待て!だ、ダメだ、梢!ボタンを掛けろって!」
欲望を必死に押さえ付け、梢の行動を止めようとする。
「…やっぱり…私なんか…」
また梢は俯いた。その表情に罪悪感を感じ、手を伸ばそうとした瞬間…
「はれ?何でボタンが外れてるんでしょう?」
梢が顔を上げた。しかし、表情にさっきまでの悲しみは無い。
「アハハ♪分かりましたぁ!知広さんが脱がせようとしたんですねぇ?ダメですよぅ、えっちなのは♪」
笑い上戸Ver.の桜…
「でも…暑いですぅ…脱いじゃおっかなぁ♪」
桜はフラフラしながら、両手をパジャマの裾にかけた。
「桜!脱ぎま〜す♪」
「やめろぉ!脱ぐなぁ!」
ガ○ダムの一場面のように宣言した桜の手を慌てて取り、脱衣を阻止する。すると桜は一瞬目を瞑り…
「うっ…よ、ようやく出られた…」
しっかりとした声。酒は大丈夫だと言った梓の様だ。
「梓、大丈夫か?」
「あ、ああ…ごめん…知広…いろいろと…」
「大丈夫だよ。二人は大丈夫か?」
「…大丈夫、今…裏で暴れてる…ごめん、アタシ達…お酒飲んじゃうと上手く交替出来なくて…」
「大丈夫だよ…」
「うぅ…もう…ダメぇ」
急に枝垂れかかる梓。今度はどっちなんだ!?
「…すぅ…」
「すぅ?…寝てる」
暴れるだけ暴れて、葉月は夢の世界へ…
「全く…」
苦笑しながら、葉月を抱き抱えた。膝の裏と肩を支えるお姫様抱っこ。
そのまま、葉月達の部屋に運んだ。葉月達の部屋は無機質なパソコンがポツンと置いてあるかと思うと、本棚には少年漫画が溢れていたり、ベッドの上には多くのぬいぐるみがファンシーな世界を作っていたりと統一感が無かったが、まあ…三人が暮らしているんだと思って納得。
ソッとベッドに葉月を寝かせる…
「知広ぉ…」
可愛らしく寝言を呟いた…
今のは誰だろう…
でも、関係無い。俺は全員が好きなんだから。
「梓、桜、梢」
顔を近付け、軽くキスをした。
「…おやすみ♪」
静かにドアを閉め、欲望により少々後ろ髪が引かれたが…となりの客間へと向かった。
俺も葉月が敷いてくれた布団に潜りこむ。先程の二人を思い出し、苦笑しながらもそのまま夢の中へ…