不思議な宿泊♪-2
「いらっしゃい…知広さん」
桜はエプロン姿、凄い似合っていて…こんな人に毎日ご飯作ってもらいたい…なんて、久々の出演に妄想も独走状態…
「あの…その辺りでくつろいでいて下さい…もう少ししたら…ご飯が…出来ますから…」
「ああ、分かった。楽しみだな、桜の夕飯♪」
桜の顔が真っ赤に染まった。本当に可愛いなぁ…
それから数時間後、夕食は豪華絢爛で桜特製のケーキまでついていた。
そして、時頃は10時。葉月達も風呂に入り、俺もその後に続いた。
「…美味かったなぁ…流石、桜だな♪」
風呂上がり。ホッと一息つくと思わず、夕食の光景と味が蘇った。
アレは美味い以外の褒め言葉が見つからない。
「…いいですよ…どうせ、アタシと梢は料理苦手だから…ふん!」
桜と交替した梓がそっぽを向き、少々不貞腐れている。
「知広なんか料理上手の桜だけに構っていればいいんだ!」
「ったく…俺はみんな好きだから、拗ねるなよ」
苦笑しながら、後ろから葉月を抱き締める。
「梓も、桜も、梢も、みんなそれぞれにいいところがあって、俺は全員好きなんだから」
梓だけでなく、中にいるであろう桜と梢にも語り掛けた。
「うぅ…知広にそんなこと言われると怒れないじゃん…」
葉月達からはシャンプーの甘い残り香がした。
「まあ知広のこと信じてるしね♪アタシもみんなも知広のこと大好き♪」
「ありがとう♪」
うわぁ…照れるな…
「知広に抱き締められたら、何だか暑くなっちゃった…確か、缶ジュースがあったはず…」
梓は照れ隠しの様に冷蔵庫に向かっていった。
「あった。知広も飲む?オレンジだけど」
「あ、ああ」
俺も風呂上がりだし、さっきの行動がいまさらになって恥ずかしくなり、かなり喉が渇いていた。
「はい!」
梓はコップに半分注ぎ、俺に差し出した。自分は缶に残った中身を一気に飲み干す。
俺もコップに口をつけ一口……!?
「あ、梓!これチューハイ!」
「うぇ?そ、そう言われれば…」
葉月の顔がほんのり色付き出した。
「酒は大丈夫なのか?」
「あ、いや…その…アタシはOKなんだけど…うっ…」
梓がフラッと後ろに倒れかけた。それを慌てて抱き抱える。