投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ふたり
【幼馴染 恋愛小説】

ふたりの最初へ ふたり 18 ふたり 20 ふたりの最後へ

ふたり【お泊まり―3】〜刺激的な夜!?U〜-3

トイレ…と言ってエリカがリビングから出ていく

俺も…と遊輝もつられるようにして立つ


トイレに向かう廊下、遊輝はエリカに話しかける

「エリカ、もしかしてカミナリ怖い?」
「…そんなことないもん!」
「でも今日のエリカへんだよ。ぐあい悪いの?」

エリカは下を向いて首を横に強く振る。


――その時だった

ゴガァァー!グガジャーン!!


腰が抜けるんじゃないかと思うほどの物凄い雷鳴。

家中の電気が落ちる。
突然の暗闇に視界がきかない。

カミナリの轟音と真っ暗な世界への恐怖から足がすくむ。


「エリカ……大丈夫?…エリカ?」


何も見えない。
聞こえてくるのは雨音くらい。
俺は暗闇に目が慣れるまでその場を動けなかった。

やっと慣れてくると、うっすらと視界が開けてくる。
かすかに見える廊下の奥行き。タイルの目。

エリカを探して辺りを見回す。
すぐに見付かったが思わぬ場所にエリカはいた。

俺の足元でエリカはへたりこみ、耳をふさぎ、下を向いていた。

「エリカ!どうしたの!?」
遊輝はヒザをつき顔を近付ける
が、依然エリカは下を向いたままでいる。

俺はエリカの肩に手をやった。
…小刻みに震えている。




………そうだ………

……あの時も……
……今みたいに……

震えてるエリカを助けたくて…安心させたくて…




「……エリカ……覚えてる?」
布団の中、震えるエリカを胸に抱き締めたまま話しかける。

「…ん?」

「ほら、ずっと昔……
カミナリで停電した時のこと……」

「………」

「エリカ、耳ふさいでしゃがみこんじゃって……
…それで今みたいにさ…」

「……覚えてるよ……」

「…急に思い出しちゃってさ…。ほら、あの時も今みたいにしてたから…。」


「ユキ……ぁり…と……」

エリカの右手が俺の背中にまわる。
エリカはその手で俺を締め付けた。


ふたりの最初へ ふたり 18 ふたり 20 ふたりの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前