《魔王のウツワ・8》-10
「姫野…」
「あ、あの…鬱輪さん…お願いがあるんです…」
姫野は顔を上げた。赤く色付いた顔は本当に可愛い…
「…姫野じゃなくて…澪…って呼んで下さい…
あ、あの…一応…彼女なんですから…」
「…あ、ああ…分かった…澪…」
名前を呼ぶだけなのに妙に恥ずかしいな…
「ありがとうございます…嬉しい…♪」
姫野…じゃなくて、澪の家に着いた。
「それじゃあ…」
「はい…ありがとうございました…」
「また…一緒に屋上で飯食おう」
「はい…♪」
「まあ…明日な…」
「また、明日♪」
澪はにっこりと微笑んだ。俺は二度とこの笑顔を手放さない。この笑顔を守る、守ってみせる…
続く…