《魔王のウツワ・6》-8
「なあ…髪…切らないか?」
「えっ?」
「やっぱり…怖いか?」
「い、いえ…そうじゃなくて…どうしてでしょうか?」
少しだけ…言葉に悩んだが…
「…切った方が可愛いと思うぞ」
その言葉に姫野は真っ赤になり…
「し、失礼します…おやすみなさい…」
慌てて家の中に入ってしまった…
その姿を呆然と見送り…
「怒らせちまったか…」
あんな事いきなり言われたらな…
「明日が休みで良かった…」
流石に翌日顔を会わせるのは気まずい…だが…
「可愛かったな…姫野」
小雨はさらに弱まり、霧雨になっていた…
これなら、明日は晴れるだろう…
続く…