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「電話で、ねっ」
【若奥さん 官能小説】

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「電話で、ねっ」-2

「やん、あ、あっ」
『カナの声、かわいいよ…』
 はぁぁ、と彼の声が電話の向こうから聞こえる。吐息の温度まで伝わってきそうなほど。熱いため息だった。
『前に買った、あのオモチャ、まだある?』
「うん…」
 ほんの少しだった新婚生活。半ば冗談で入った大人のオモチャ屋さんで、二人はバイブレーターを買った。
 すぐに使えるようにベッドの脇のテーブルに置いておいたけれど、結局、二人でいる時には使わなかった。
 寝相の悪い彼女がスイッチを腕で押してしまい、ぶるぶるとテーブルの上で回転するそれを見て、二人で大笑いしたこともあった。
『使ってみて』
 彼女は手を伸ばした。
 黒く、力強いものがそこにあった。
 野蛮で、大きくて、でも、気持ちいいもの。
「はぁう…」
 握って、先端を欲しい場所にあてがう。
「あっ、おっきぃ…」
『入れてみてよ。カナ、もう濡れてるんでしょ?』
「うん…」
 それが彼女の蕾を割る。
「やんっ、すごく…」
 彼の吐息が、彼女の芯から蜜を溢れさせる。
『すごく?』
「…感じる…」
 太い力に真ん中を割られる。
「あっ…、んっ」
 ひとさし指の脇を思いきり噛む。彼女の癖だ。
 こうしていないと、マンション中に響くような大声が出てしまう。


『すごいよ。俺も、気持ちいい…』
「動いて…もっと、奥まで」
 彼女は腰を上げ、ベッドの上でのけぞる。
『ああ…。入ってくよ』
 ずぶずぶと、彼女の中がえぐられる。
 埋まった、と思う。
 埋められて、女になる。男が欲しい。欲しい欲しい。彼女は感じる。
「あんっ…動いてる。奥、ぎゅって」
『カナの中、どろどろに溶けてるよ』
 ごつごつした固まりが、彼女の中で暴れる。彼女の中から溢れた欲望のぬめりが、シーツに染みを作る。
「ん…うぁっ」
 彼女の中にある、小さく膨らんだ襞をこすられて、悲鳴を上げる。
 壁のように固まった管の中を、黒く、熱いものが往復する。
 入って来る時は息ができない。
 抜かれる時は、声が我慢できない。
「もっと、もっと。もっと、いやらしいことして」
『どうしてほしいの?』
 彼女は、うつ伏せになった。獣の姿勢。
 恥ずかしい部分を見られて、狂いたい。
「後ろから、して」
 受話器のすぐ前に手を着き、腰を思いきり持ち上げる。彼女は、このやり方が一番好きだった。
 わずかに膝を内側に向ける。こうすると、きゅっと締まって、抜けにくい。
『ね…、入るよ』
「ん、ふぅ…」
『ぐじゅぐじゅしてる。カナの中』
 ちゅっ、ちゅっと水音が響く。
『あったかいよぉ…、カナ』
「あは。おっきくなってる…」
『動かすよ』
 息を止め、ゆるやかに彼女を突き通すものを待つ。
「く…ふぅ」
『声、出して』
「いやっ」
 背中が反る。押しこまれ、じわりと寄った襞が、抜かれる時に身体からちぎられそうになる。


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