ふたり【お泊まり】〜「ユキ、誰が好きなの!?」〜-2
「聞きたい!どうして?」
「う〜んとねぇ、名付け親はお母さんなんだ。」
「へぇー、あや姉なんだ。」
…なんとなくあや姉らしいや。
「――でね!この子がこの家に来た日が、なんとクリスマスだったの!」
……ふんふん。
……で、それがどうすればユキチになるんだ?
「――お母さんはね、クリスマスの日は絶対に負けないの!」
……?
「負けないって?」
「パ〜チ〜ン〜コ!」
あかねが割って入って来た。
「つまり〜、
クリスマス→パチンコ→勝つ→大金GET!→万札タップリ→福沢諭吉
・・・てことでこの子の名前は『ユキチ』になったの!ね〜、ユキチ。」
プッ、さすがあや姉。
考えることが普通じゃない。
――ハァ!?
オレ様の名前の由来ってそんなんだったの!?
…うーわ、ショック!
もうユキチって呼ばれても、絶対返事してやらねぇ。
「あれ〜?ユキチ〜?
…おかしいなぁ〜?いつもだったら、名前呼べば『ニャー』って返事してくれるのに〜。」
……あかねの猫の鳴きマネがあまりに可愛いすぎて、俺は不覚にも赤面してしまった。
「ん、お兄ちゃん?顔赤いよ?あっついの?それとも風邪〜?」
うわわわわ!顔近いよ!
あかねは遊輝と額をくっつけようとしている。
遊輝の顔が見る見る赤みを増す。
――くっついた!
・・・バッ!
――ハッ、ハァ、ハァ
…思わず飛び退いてしまった。
いや、仕方ない。あかねにこんな攻撃されて理性を保てる男などいやしない。
…う"、今度は“上目使い"攻撃かよ………
遊輝の赤面度は最高潮だ。