罪人の塔-1
螺旋階段を上がっていく
急ぎ足で
終わらない
終わらない
どんどん上に登っていくのに
この階段は終わらない
【罪人の塔】
私はいつの間にか暗い牢の中でうずくまっていた
いつ、どうやってここに来たのか分からない
誰かが連れてきたのかもしれない
だけど、誰が連れてきたのかも分からない
私はゆったりと体を起こして、牢の戸に触れてみた
開いた…
牢には鍵がかかっていなかった
私は牢の中から出た
素足のままでペタペタと狭い廊下を歩いた
廊下の奥には少し古ぼけた木製の扉があった
私はゆっくりとその扉を開いた