罪人の塔-2
これは……
扉の向こうには
無限なのか?いや、それに限りなく近いような螺旋状の階段が上に上にと広がっていた。
他に見えるものといえば、壁にポツポツと掛けてあるロウソクだけだった
登る他はないと思い、ゆっくり、ゆっくり、一段一段と足を運んでいった
階段の石は冷たかった
そして耳が拾う音といえば私の足の音だけだった
どうしようもない孤独の中で
私はこの階段を上ることしかできない
このきっと頂上には光がある
眩しい太陽と、やわらかい風が
きっとあるはずだ
他に求めるものがあったのかもしれない
私はそれさえも忘れて、ただ光とわずかな希望を夢見て足を止めずに階段を上った
他の誰かの事を思い出したりもした
家族、友人、恋人…
それらが今にも助けに来てくれるんじゃないかとも思ったりした