赤い鈴〜一般的解釈より〜-4
「隊長!!!」
部下の鋭い声が響いた。
覚醒すれば俺は戦火の真っ只中で。
パァッン!
それを認識したときには背後からの銃弾が胸部を貫いて遠くに消えていった。
視界が揺れる。
力が抜けて、あふれ出る血液を確認した時から「痛い」という強烈な感覚だけが頭を支配していった。
ガチャリと銃が地面に落ちる音が響く。
それに続くように地面に膝をつき、そのまま倒れた。
部下達の悲鳴や怒号と、目の前で広がっていく赤い水たまりが発する鉄臭い香の中、やけに静かに自分が一人呟くのが聞こえた。
死ぬのか?
だめだ、まだ死ねない。
何でだ?何でそう思う? 誰の……?
揺らぐ景色の中、一つの幻覚が浮かんだ。
「目も駄目になってきたか」と半ばあきらめに似た気持ちが芽生える。
あれ、でも?あれは誰だろう?
泣いている。 あの着物、見覚えが……
君は……
ああ、そうか。
唐突に理解した。