side 詩織 22-1
石見家 詩織の部屋
9時前 詩織はパソコン使いつつ宿題をして
おわろうとした頃 部屋に砂織がやってきた
「いい?」
母親を見ながらうなずいて返事をすると
砂織は扉を閉めて詩織と向かい合うかたちですわる
「詩織 したよね?」
「え? わかるの?」
「歩き方が痛そうだったから…なんとなく」
「お父さんは?」
「あの人はそんなこと 気づくわけないでしょ」
「あはは…」
「それで いたかった?」
「うん 痛かったけど わたしが自分で押し入れたわけだから
頑張ったもん」
「そうなのね おさむさんは…ただ寝ていたの?」
「うん くみこちゃんに膝枕して貰って
仰向けになって貰ってた」
「詩織が全部主導したのね」
「うん そうだね 痛いならやめていいって言われていたけどね」
「そっかぁ 当然中出し?」
「うん まだ初潮来てないから平気よね?」
「そうね きもちよかった?」
「うん 入れるときは痛かったけど
入れたあとから動いているうちに気持ちよくて…
ただ、今日もくみこちゃんに嫉妬してた」
「あら…今日はどうして?」
「わたしとし終わったあと わたしが
精液とか血で汚れたところを洗ってる間
くみこちゃんの胸に顔あてて…
そのあと おちんちんも洗って貰ってるときもうれしそうだった」
「詩織…」
(詩織もわかってることだけど
おさむさん くみこちゃんが好きってことだし
それを見ていて辛くなっちゃうんだよね)
砂織は詩織のあたまを撫でる
「お母さん 大丈夫だから」
「そう?」
「くみこちゃんに嫉妬して…明後日は
わたしが膝枕するって言っちゃったことが
わたし 嫌な子だなって」
「明後日?」
「さゆりちゃんの番だから」
「あ…そういうことね さゆりちゃんも
詩織に嫉妬してそうだよね」
「うん そう考えると…わたしが嫉妬するのも
おかしいよねって」
「難しいよね こればかりは
それで さゆりちゃんも今日の詩織のようにがんばるの?」
「たぶん 頑張ると思う
わたしがしちゃったからなおさら」
「無理しないといいわね」
「うん…お母さん」
「うん?」
「人を好きになるって…自分の嫌な感情も出ちゃうのね」
「そうね 誰でもそうだと思うわ」
「でも くみこちゃんはそれでも良い子だよね」
「くみこちゃんって…そういう感情 みせたりしてないの?」
「うん ゆいちゃんに対しても嫉妬もしてない
わたしが膝枕するっていったときも
おさむくんに諭してわたしに譲ってくれたり」
「すごいわね ほんとにいい子すぎて…
だからなんだろうね おさむくんが好きなのは…」
「ゆいちゃんもそうだけど
くみこちゃん こんなに良い子だったなんて
今まで…わたし中心のグループだったから
控え目だったのかなぁ」
「くみこちゃん さゆりちゃんと3人グループだったね」
「それが…ゆいちゃんに誘われてくみこちゃんは…で
わたしはわたしでその頃 クラスの男子に…」
「その男の子はどうしたの?」
「クラス変わったし会話もないなぁ 5年生になって
チョコあげたりしたけど」
「その年代だと恋より…だもんね」
「性教育をきっかけに
ふざけて…わたしのことも気になっていたからなんだろうけど
おちんちん見せてきたから」
「最初はびっくりしたでしょ」
「うん どうしたらいいのかわからなくて
ゆいちゃんにきいたもん
それで相手の男の子泣かせちゃったからチョコレートあげたりしたけど
続かなかったなぁ」
「詩織の手こきで はじめて射精なんだよね」
「だと思うから 泣いちゃったんだよ」
「学校も性教育とかもう少し考えてほしいね」
「そうだよね って…もうえっちしてる わたしが言うのはおかしいよね」
「まぁ…ねぇ とりあえず 痛みは大丈夫なんでしょ」
「うん まだ少しは痛いけど…うんと痛いというわけでないから
あ お母さん お願いあるんだけどいい?」
「うん」
「コンドームとか用意してほしい」
「そうね しっかり避妊しないとね」
「うん」
「明日買ってくるわ」
「ありがと」
「わたしも このあと おさむくんにLINEしてみるかな」
「え?」
「なぁに? わたしがLINEして問題あるの?」
「ないけど…」
砂織は立ち上がり
「それじゃ、おやすみ」
「うん おやすみなさい」
詩織の部屋から出て行く
それを見送ったあと
宿題のを仕舞い寝る準備をすると
「ふぅ…」
(お母さん おさむくんになに話すんだろう?)