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先生は僕らの女王様
【教師 官能小説】

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女教師、最後の口腔奉仕。-5

「この体勢のまま、言われても……説得力ないんですけど? しのごの言わずに、早くすっきりしちゃえばいいの」

ぽんぽん、と背中を軽く叩かれ、そんなことを言われる。

「ごめんね……」

震える声で、由美香が呟く。

この人には敵わない。

「最後に……します。決心、つきました……」

由美香の手が背中から滑り、両手が翔の頬を捕らえる。
そして唇が近づいて、由美香の冷たい唇と、興奮して、汗にまみれた熱い翔の唇が重なった。

そして、ゆっくりと舌が絡み合う。
次にこの、優しく、器の広い女を射止めるのは誰なのか。

そんなことを思いながら、翔は腰を動かし出した。


*


ことが終わり、ホテルを後にして、二人で駅に向かっている途中だった。

ゴジラビルを通り抜け、さらに駅側に向かうと、左側から靖国通り沿いを歩く、二人ーーひとりは、翔と由美香がよく見知った人物だった。

「ーーあ」

先に、その人物の方が気づいて声を出す。
その人物の横にいるのは、黒い、しっとりとしたウェーブのかかった髪をなびかせる、顔立ちのはっきりとした女性だった。

咄嗟に由美香は「まずい」と思い、下を向いた。

見知った人物とはーー清香だった。

「あれ、平田さん……新宿なんか来るんだ」

翔は、由美香と翔、拓真の三人の関係を、清香が知っていることを知らない。
だからこそ、平気で声をかけられる。
だが、由美香と翔が二人で歩いていることを、清香はどう思うのか。

「瀧岡さん、今日出張でしたよね。お疲れ様です」

清香は気を使って、「先生」と呼ばなかった。
そして、翔の方を全く見ない。これ以上この場にいたくないことがひしひしと伝わってくる。

「サエコさん、行こ」

清香は「サエコさん」と呼んだ人物の腕に、わざとらしく自らの腕を絡ませる。

ずきん、と由美香の心が痛む。
自分と、同じ年齢くらいだろうか。
だが、明らかに自分とは違うタイプの美しい女性で、性的な匂いが漂う。

「いいの? 職場のかたじゃないの?」

清香の横にいる女性は、スーツ姿の由美香を「出張」に行った「瀧岡さん」だと判断し、清香の名前を呼んだ男の方も、職場の人間だと判断したのだろう。
心配して、清香の横にいる女が問う。

「大丈夫です。だって、サエコさんとご飯行くって約束したもん。奢らせて下さい」

「ん、わかった」

サエコと呼ばれた人物は心配そうな表情を浮かべ、だがこちらに気を使って会釈をする。
清香は絡めたサエコの腕を引っ張るようにして、ずんずんと人混みの中を進んでいく。

「清香ちゃん、後で連絡するから…!」

おそらく聞こえていたであろう声に振り向いてさえもくれなかった。
由美香は呆然と立ち尽くしてしまった。


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