ふたり【序章・結】-4
男が女ふたりを泣かした。うるせーったらありゃしねぇ。
そんなときにこのヤサ男ときたらオロオロしてやがる。
と思いきやこの男、ふたりに近付いていった。
……そして、およそ人間とは思えないものすごい変顔をつくった!……夢に出て来そうだぜ。
そしたら一瞬、さんにん皆固まって女ふたりが同時になんか叫んで、これまた同時に男のホッペタをひっぱたきやがった!
そんで男はぶっ倒れた。
……ってわけだ!
わかったか!?親切なオレ様に感謝しろよ?
そんじゃあな!
「………どうだ?気が済んだか?ふたりとも。」
遊輝の顔は左右均等に赤く張れている。
「プッ……」
「「アッハッハッハ!」」
俺とエリカが大声で笑うと、あかねも涙を拭きながらクスクス笑った。
入り口とは反対側の方から、「ニャー」と聞こえた。
遊輝は、それが自分の成長を祝ってくれたのだと思った。
【序章】end