淫ら妻-2
動画の反応を得たのは数日あとになった。
『あまりに動画の内容がエグかったから、さすがにちょっと躊躇ったて時間かかった。』
LINEではなく、直接電話をかけて来たのだった。
『そんで、躊躇ったて事は、奥さんには見せれたんや。
どうやった?』
『めっちゃ興奮してた。でも、本人の同意をどうやってとるんか気にしてた。
睡眠薬と媚薬で、朦朧とした中襲うのは楽しそうやけど、同意なかったら、実際に、それは犯罪やんか。旦那が許可したって言ったところで奥さんは旦那の所有物ちゃうんやから。やって。
そらそうやわな。
どうするつもりでおるん?聞かせてや。』
一応、周りを見て、さらに寝室へ行って妻が寝ている事を確認してから、パソコン部屋に移動する。
ドアをしめて、ドアの方へ椅子の向きをかえて、どかっと座る。
『そうやなぁ、具体的な話になったら、ちょっと説明には電話だけやったら難しいし、奥さんも一緒に会う時間取れる?』
『オッケー。明後日とかでもいい?それとも、来週日曜日くらいにする?』
『明後日、って、奥さん行けるん?』
『大丈夫やで、隣で動画見ながらオッケーサイン出してるから。』
『そうなんや。なんか昔のイメージとちょっと変わったな。
あんまし、あんましちゃうな。僕らの会合には一度も顔を出した事なかっったのに。』
『そうやなぁ。そういう意味でも、あのスワッピングの日からだいぶ変わったと俺も思う。』
少し、席を立った気配があった。
奥さんと、ちょっと距離を取ったのだろう。
どんな合図をしたのか、少し興味が湧いたが聞く暇なく、話が進んだ。
『良いのと悪いのと半分ずつ、かな。
清楚やった時と、いまの状態と。嫁にしたら、新しい自分を受け容れた段階で、バランスは取れるわけ。
女だって性欲はある、という事を恥ずかしがったり隠してたり。その枠が取れて、実は持て余してた性欲を真っすぐに昇華出来てる、とは言ってた。
矢部にやられてよがってたのは、ショックなんは本音なんよな。
でもまあ、あれ依頼、セックスする頻度も増えたし、今まで嫌がってたフェラチオとか、喜んでするようになったから、それはそれで良いきっかけやったかな、とは思うねんけどな。
それに、お前の言い分でもないけど、エロい欲求が加速度的に増して来てて、手に負えなく成りかけてんのは事実やねんな。
向こうは無尽蔵に、何回でも、いき果てては復活するやん。でもこっちはエロビデオでもあるまいし、この年やし、復活出来ても、せいぜい1回くらいやん。
2戦済んだら、相手がエロくても、弄られても無理やん。
お前はどうなん?』
そうなのだ。
絶倫、とかドリンク剤とか言うけれど、一度試した事はあるが、身体が熱くなっただけで、むくむくとすぐに勃起するという物ではなかった。人によるのかもしれないが。
僕も無理だわ、と笑いあった後、お互い神妙な面持ちになる。
そりゃあ矢部みたいなん経験したら興奮するわな。とお互い口にして、そういう事なら、と3日後のランチを一緒にとる約束をして電話を切った。
妻が、どういう変貌を遂げるのか。いまは淫乱と言っていい。ただ、それが今は妻自身に向いていて、僕の方には向けられていない様に感じてしまう。
実際にどう思っているのだろう。
妻が、矢部の巨大なイチモツを下の口で咥え込んで、ひーひーとよがり声をあげる姿を想像すると、それだけで勃起する。
想像だけで勃起するなど、本当に長い間なかった事だ。
しかし、その後、僕とのセックスが再開された時に、僕は、妻を満足させる事ができるのだろうか。
欲求だらけの妻の相手が務まるのか、不安がうずたかく積もりつつあった。
それは、そうと分かりつつも、3日後には高瀬とその奥さんに会い、話を詰めて行く事になる。
パターンは幾つか検討していたが、昨今の妻の様子を見る中に、晒され願望や露出的なフェチ、複数に同時に犯されたい願望がチラチラあって、本当に淫獣になったな、と思ってしまう。
3日後、高瀬との約束の場所はホテルのラウンジを指定されていた。滝があって川も流れているようなスペースに、ひと席辺りかなりの間隔がとられている。吹き抜けの天井には豪奢としか言いようの無い大きなシャンデリアが上品に光を振りまいている。
『ここやったら、隣に話聞こえる事がないから。あと聞こえたとしても絶対に秘密厳守。ここはそういうホテル。金持ちの連れ込み宿って噂あったくらい。まあ、それは冗談やろうけど、お見合いや商談で使われてることが多い。どちらにしても秘密厳守はこのラウンジの本質やわな。』
ラウンジの入り口でそんな会話をしながらも、僕の目は彼の『嫁』に目が釘付けだった。
確か、5歳程年下だったはずだが、40歳になっているとは思えない。
確かに妻も童顔な点と化粧を好まなかった事でより肌にハリとツヤがあり10歳ほど若く見られる事が多い。
それでも見慣れた妻と遜色のない肌の美しさと、モデル・芸能活動をしていた事もある美貌は顯然だった。
彼女の記憶となると、テレビやポスター以外では結婚式依頼となり、15年振りくらいになるのだが、あの頃の幼さの残る可愛さと違った、どこか妖艶な魅力を身にまとった様子があった。
また、うちの妻のぽってりとした色気のある体型とは異なり、身体を商品としてしっかり管理した、プロポーションの中に、やや淫らな隙をつくったような、割れ目の深いロングのワンピースには前かがみになれば、胸の奥まで見えてしまいそうな、胸元のくびれがあった。
周囲の男性陣の目がチラチラと彼女に向けられている事もどこか自覚している風な感じがあった。
『お久しぶりです。今日はよろしくお願いします』
挨拶する声にも表情にもどこか紅潮した様子が伺えた。