仕置き-1
航平のマンションからの帰り道、賢二は口を聞かなかった。心配して駆けつけてくれたことが嬉しかったが、主として、心配したことは、見せないだろうと感じた。
その夜は、ろくに話もせずに眠った。
翌朝は休日だった。礼は、軽い頭痛で目が覚めた。
気づくと、首輪がついていた。いつもの首輪だか、長い長いチェーンがついていた。
賢二が言った。
『昨夜お前がしたことは、浮気と同義だ。』
礼は、必死に謝った。賢二は、聴こえていないかのように続ける。
『お前は、玩具や穴として扱うレベルに達していない。まずは、自分の立場を知ることだ。脱げ。』
礼は、慌てて全裸になった。
首輪を引かれてリビングに行くと、リビングの隅にペット用のトイレがあり、小さなラグが敷かれている。
『お前がいるべき場所だ。トイレは、許可制でそこに跨ってしろ。片付けも自分でしろ。』
礼は、小さく、「はい」と答え、指定の場所に座った。しばらくすると、ペット用のような食器に水と食べ物が入ったものが用意された。
同時に両手を後ろ手で拘束された。
質問や拒否をする権利がないのは明白だ。
礼は、まず、水を飲もうとする。正座のままでは、飲める体勢にはなれない。いろいろ試したが、足をガニ股に開いてまさに犬のようにするしかなかった。全裸で首輪をされ、犬のように、股を開いて、水を飲んだ。二日酔いで食欲はなかった。
食事を終えた賢二が現れた。
手にはいつもの乗馬鞭を持っている。
礼の手の拘束は外された。
『服従のポーズ』と言われる。
服従のポーズとは、犬がチンチンをしたようなポーズだ。女性ならこのポーズを指示されるのは、ありえないが、礼は、黙って従う。
『恥ずかしい姿だな。惨めでお前にピッタリだ。』賢二は、笑った。
笑いながら、鞭で礼の乳首を触る。
冷たい革の感触が、乳首を感じさせる。
何より、直接触ってもらえない扱いをされていることが、礼の被虐心に火をつけた。
ひとしきり鞭で乳首をいじられていると、尿意を感じた。
「トイレに行きたいです。」
『ダメだ』
「お願いします。トイレに行かせてください。」
土下座して頼むと、
賢二は、ペット用トイレの上に礼を立たせた。
『いいか、お前には排泄の自由さえない。』
礼は、身体をよじり、
「お願いします」と頼んだ。
『足をペット用トイレの外にだし、よく見えるようにしてしろ』
礼は、言う通りにした。ありえないくらいの大股開きでペットシーツに音を立てて放尿した。賢二は、笑いながら見ていた。
放尿したシートを処分し、新しいシートを敷く。惨めだった。