優菜-4
翌日
出社して 何時もの様に スケジュールを打ち合わせ
コーヒーを飲んでいる時
昨夜の 修司の話を思い出して 少し考え込んでいると
片山が
・・・幸田さん 今夜 ○○ホテルのディナーを・・・
・・・個室で6時から 手配しておいて・・・
コーヒーを飲み 優菜を見つめ
優菜は手帳に記入して
・・・あのお相手は?・・・
社長は 何も言わず 立ち上がって 会議室へ向かい
優菜も後ろを付いて その日の仕事が終わった
優菜が帰ろうとした時 片山が
・・・幸田さん 申し訳ない 8時まで残業を頼めるかな?・・
顔を覗き込んできた
時として イレギュラーな場面に遭遇するが
片山は優菜に 残業を頼んだことが事など 皆無だった為
優菜は少し考えて はいと答え 社長に同行して
レストランに向かった
テーブルに付き 二人のセットを見て
優菜は怪訝な顔をして 片山を見た
片山は 何も言わず ウェーターに オーダーをして
白ワインをボトルで 持って来させて
優菜に飲む様に 勧めてきた
軽く口を付け
・・・社長? 今夜はどなたが?・・・
片山が優しい目で
・・・何時も有難う 今日は幸田さんの 慰労と・・・・
・・・何が有ったのか 話してくれるかな?・・・
優菜は 片山の優しい目に 昨夜の夫の事を
少しづつ 話した
優菜の言葉を黙って聞いていた 片山が
暫くワインを口に運び 日本だけ?
販路を探していたの? と聞いて来た
優菜が頷くと 明後日 11時は空いてたね
優菜がシステム手帳を広げ
・・・11時から1時まで 予定は有りませんが・・・
ご主人に 私の処に 11時で そう言うと
片山は出された 料理を食べる様促して来た
優菜は帰宅した時 修司に社長の話を伝えると
修司の目が輝き 優菜の手を握って来た
その後 社長のアドバイスと 口利きで
決済を無事に乗り越え 販路をヨーロッパへ向け
事業は軌道に乗り 優菜は片山に感謝を伝えたが
片山は ただ ご主人の処の製品知っていたが
何故 世界に向かないのかと 思ってねと笑うだけで
終わらせてしまった
優菜は 片山との初めての夜を
誠の持って来た3年物と言う
お酒をお湯割りで飲み 思い出していた
湯呑から仄かな 花の香りが鼻孔を擽り
少し甘口のお酒が 喉を潤していく
美味しい・・・ 湯呑を持ち 呟いてしまう
前に座って居る 主婦達が
同じように頷いていた