side 詩織 21-1
石見家 8時過ぎ 詩織の部屋
詩織はお風呂から上がり
パソコンを使いながら残っている宿題を片付けていると
砂織が部屋にやってきて
「いい?」
「あと少しで宿題片付くけど 後回しにするね」
「ありがと」
砂織は扉を閉めて詩織と向かい合うかたちで椅子に座る
「くみこちゃんに頼み事いい?」
「うん? くみこちゃんのお母さんと連絡取りたいと言うこと?」
「えぇ…草摩さんの電話番号とか知らなくて」
「わかった 待ってね」
詩織は携帯から句美子にLINEをする
「くみこちゃん いい?」
「うん? どうしたの?」
「くみこちゃんのお母さん いま 時間ある?」
「ちょっと待ってね」
………
……
詩織が待ってると句美子から返信
「うん 部屋に来て貰ったけど
お母さんに用事なら通話にする?」
「ありがと 助かる」
句美子から通話モードの通知を受けて
通話モードにして
「もしもし 詩織です」
「しおりちゃん どうしたの?」
「いま ここにわたしのお母さんいるからお母さんに変わります」
「あ はい」
詩織は携帯を砂織に渡す
「お電話 変わりました ちひろさん ごめんなさい いきなりで」
「いえいえ おさむさんのこと?」
「わかるんです?」
「今日の日中におさむさんと会話してて砂織さんの話も出てまして」
「そうなんですね どんな話を」
「来週の月曜日のことで…わたしの家か石見さんの家か
どうするのって」
「え? おさむさん すでにちひろさんに話通したの?」
「はい 砂織さんが休みだからって
それで さおりさんどうします?」
「そうですね そちらにお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「はい かまいません
優美さんの場合 掃除洗濯終わってからみたいだけど
どうします?」
「ちひろさんは掃除洗濯いつ頃終わるんです?」
「だいたい10時半には…」
「それなら その頃にお伺いします」
「はい 連絡先交換はそのときにで?」
「そうですね 娘の携帯使っちゃわるいですもんね」
「はい それでは」
「はい」
砂織は詩織に携帯を渡す
ちひろの方も携帯を句美子に返していた
「くみこちゃん いきなのごめんね」
「ううん 来週の月曜日ね」
「そうみたいね それじゃ、通話切るね」
「うん」
句美子との通話を切って砂織の方を向いて
「来週 あっちにいくのね」
「うん それにしても驚いたわ ちひろさんもう会話してたの」
「そうみたい」
「詩織は今日どうだったの?」
「うん 昨日してあげなかったからしてきたよ」
「そうなのね ちひろさんたちもいたところで?」
「うん さゆりちゃんと真治くんは帰宅したけど
他の面々は」
「ちひろさん 驚いてたよね」
「かなり驚いてた様子だったね」
「詩織 そんなに驚くことしたの?」
「うーん 普通に手こきしてフェラしただけなのに」
「そ、そう」
「わたし 嫌な子とになりそうだった ちょっと」
「え?」
詩織の呟きにびっくりして見返す砂織
「くみこちゃんに嫉妬してしまったり
ゆいちゃんにもそう」
「そう…おさむさん くみこちゃんにだっこだから?」
「うん 悔しくなっちゃって…」
「もう少ししたら胸膨らむと思うから」
「うん…それで おさむくんも怯えちゃって」
「え?」
「わたしがゆきちゃんみたいになるんじゃないかって
怖がってしまって
わたしも…嫌な子になったらダメだなって感じてた」
「かなりトラウマ強いの?」
「うん ゆきちゃんに対して今でも怯えてるから」
「そうなのね」
「だから気をつけなきゃ…わたし」
「そうね 胸膨らんだら求めてくれるんでしょ」
「約束はして貰った」
「それなら 焦っちゃダメだよ」
「お母さん ありがと 話聞いてくれて」
「ううん 詩織にも困らせちゃうのはごめんね」
「不倫のこと?」
「うん…」
「お互いに黙認ならお互い様だよ」
「ありがと じゃ、お風呂いくね」
「うん わたしは宿題するね」
二人は会話を終わらせると
詩織は宿題 砂織はお風呂にむかうのだった