おさむと優美とちひろと-3
「句美子が帰宅するまで
句美子が来たらここに一緒に来るのは?」
ゆみちゃん
「おさむくん 困ったときにわたしの名前言う癖なおそうね」
「優美さん 無理です?」
「出来ると思います おさむくんいい?」
うん かいわ
よみとりれんしゅうにもなるよね
「そうですね がんばるから」
「さて、食べましょ まず、わたしがしてみせるので」
「はい」
優美はスプーンでおさむの口に上からいれる
「おさむくん 口開けるとき上を向くから
上から入れないと入らないので
ここで気をつけなきゃならないのは
奥に入れないようにすること」
「はい」
「普通の人はあごを引いて食べるわけだけど
あご引かせると口が開かないから」
「なるほど…おさむさんってかなり特殊なんですか?」
「そうかもしれないですね」
優美は介助しながら説明していく
半分ほど食べさせ終えると
おさむの左側に移動する
「残り半分 ちひろさんにお願いしますね」
「あ はい ちょっと怖い
句美子は慣れちゃってるんですよね」
「くみこちゃんは…そうですね
毎週する機会あるわけだから」
こわがらなくていいから
「うん じゃあ…食べさせていきますね」
ちひろは恐る恐る口に運ぶ
「こんな感じでいいです?」
「問題ないと思います」
ちひろは残りをゆっくりと
おさむに食べさせていく
その間 優美は自分の食事を終えると
台所に行き野菜ジュースを用意して持ってくる
ちひろが全部食べさせ終えたのを見て
「ちひろさん おつかれさま」
「あ はい 神経使いました…」
「回数こなしていけば慣れますよ」
「そうですね 頑張ります」
「さて おさむくん はい」
優美がおさむの足下に野菜ジュースをおくと
渋々ながら飲み干していく
「くみこちゃんなら黙って飲むのに
どうして わたしの時はそういう態度になるの?」
のんでるよ
「いやいやながらでしょ?」
「句美子の時は黙って飲むの?」
「えぇ…くみこちゃんのいうことはちゃんと聞いてるみたいだから」
「そ、そうなんですね」
(句美子 あなた 20歳以上離れた相手に
そんな風にしてるの…)
くみこちゃんの
めっ!がすきだし
「お・さ・む・くーん?」
目が笑ってない状態で笑顔になりながら
優美がそう言う
ごめんなさい
「もう くみこちゃん まだ11歳なんだよ?
あなたは33歳だよね」
だって
くみこちゃんあまえていいっていうもん
「はぁ…どうしてこうなんだろう この子」
「句美子 甘えていいって言ってるの」
「優依もそうだけど…みんな おさむくんに甘えさせてるみたいだから」
「大人じゃない感覚なんですね」
「そうですね だからなんでしょう
優依達がおさむくんと関わりやすいのは」
「なるほど」
うーろんちゃ
「はいはい 野菜ジュースが口の中に残ってるのがいやなんだね」
「うん」
優美は烏龍茶を足下に置くと
一気に飲み干すおさむ
「さて 後片付けするから ちょっと待ってね」
「うん」
優美とちひろは
食器を下げていき台所で洗い物を済ませて
戻ってくると
「おしっこするよね?」
「うん」
「ちひろさん どうします?」
「句美子がしてるところはみたけど
もう一度確認したいのでついて行きます」
優美はおさむを立たせて
トイレに連れて行く
あとをついてくるちひろはしっかり覚えようとする
「おさむくんを便器の前に立たせたあと
ズボンとパンツをおろしていく
このあと おちんちんの状態 確認して
皮にくっついていたりする場合あるから
一度ひっぱって伸ばしてあげる方が無難」
「はい 句美子もやってました」
おさむがおしっこをし終えるのをみて
トイレットペーパーでおちんちんを拭いていく優美
「別にふかなくてもいいとは思いますが
ふいてあげてます わたしたち」
「この辺は人それぞれなんですね」
「そうですね」
おさむのズボンとパンツをあげて
裾をちゃんと入れていく
「こんな感じですね 手を洗うのは忘れないように…」
「はい」
トイレを済ませたあと
おさむを玄関に連れて行く
ねぇ
「うん?」
あるいていくの?
「あ…すぐそこだけど
おさむくん歩くの大変だよね」
じしんない
「じゃあ 車で…ちひろさんいいです?」
「はい」
優美は優花を迎えに行く支度をして
おさむを車に乗せる
ちひろもおさむのとなりに座る
優美が車を出して草摩家の敷地内まで移動すると
ちひろがまず降りて
玄関を開けると戻ってきて
優美と二人でおさむを支えながら家の中に連れて行く
「じゃあ またあとでね」
「うん」
「優美さん いろいろありがとうございます」
「いえいえ また夕方に」
「句美子とおじゃまします」
優美は挨拶をしたあと車に乗って
優花を迎えに行くのだった