先生に-3
「あの…や…」
(約束してくださいますよね…)と言おうとしたつもりでしたが、うまく声になりませんでした。先生はそんなわたしの逡巡には構わないようにわたしの膝頭を掴みます。左右にグイっと開かれてわたしは恥ずかしいところをさらけ出します。わたしは両手で顔を覆ってたまま、先生の視線が注がれていることを想像していました。
(ああ…。恥ずかしい…。…でも、わたし、ここに先生に挿れてほしくて…。ずっと、自分で慰めていたんです…)
先生がズボンを脱いでいるような様子を感じたと思うと、すぐに先生のおちん〇んがわたしの恥ずかしいところに宛がわれてくるのを感じました。その感触は…なんというか肉厚というか質感がありました。
(先生が入ってくる…先生とつながる…先生とセックスする…あっ…)
先生はすぐに質感のあるおちん〇んを埋めてきました。…いえ、埋めてくれました。先生は、先端から中ほどくらいまで埋めたところで動きを止めました。
(どうしたの?…先生…。先生も迷っているのかしら…)
そう思いましたが、先生は思い直したようにそのまま腰を進めてきました。先生のおちん〇んは夫よりも一回りは大きくわたしが夢想していたとおりの感触を与えていました。そして夫では届いたことのない奥まで届いたようでした。わたしは思わず声が漏れそうになるのをようやく堪えました。
(先生のおちん〇ん…わたしの中に入ってる…先生とセックスしている…夢じゃない…妄想じゃない…今、本当に…してる…)
わたしは両手を顔から外しました。先生は目をつぶったまま腰を振り始めます。先生に抜き差しされて今まで感じることのなかったわたしのカラダの奥の方から快感が湧き上がってきます。
(ハァ…ハァ…)
わたしの呼吸も乱れてきます。両手を先生の背中に回したくなってしまいます。犯されているはずなのに…。先生の腰の動きが不規則になってきました。動いては止まり、止まっては動き…。絶頂が近づいていることはわたしにもわかりました。先ほどまでの荒々しい振る舞いや言葉も本心からではなかったのでしょう。先生が愛おしく感じられます。
(先生…いつでも逝っていいんですよ…)
先生は避妊具なしで射精してもいいのかためらっているのかもしれません。わたしは両手を先生の背中に回しました。
(このまま、いつ逝ってもいいんですよ…わたし『安全日』ですから…ちゃんと体温も計っています…)
背中に回した手を徐々に下へ降ろしていきます。そして先生のお尻に届くと、投げ出していた脚を先生の脚に絡ませました。先生のおちん〇んがより深くわたしに刺さってきました。
(ああ…素敵…この感じ…)
先生も感じてくれているのでしょうか…わたしにお尻を掴まれたまま腰を振り続けて…。
「あっ…っく…くぅ…」
先生がまた小さく呻いて動きを止めました。先生はきつく目を閉じて歯も食いしばっているようでした。
(かわいい…)
わたしは犯されていたのも忘れて…いえ、「犯されていた」わけではありません…わたしがこうなりたくて先生の部屋を訪ねて、先生がそれに応えてくれているのです…。さらに先生を愛おしく感じてしまいました。
(先生…射精(だ)して…)
わたしは先生のお尻にまわした両手に力を込め腰を押し付けました。先生は思いを定めたように腰を振り始めました。振る…というよりは打ち付ける…という感じで…。
「あっ…っく…」
先生の動きが止まりました。わたしは先生に絡めていた脚を解きます。先生がおちん〇んを抜いて身体を離します。わたしは急に一線を超えてしまった恥ずかしさを覚えて先生から背を向けてしまいました。娘の家庭教師とのセックスを夢想し続けて、ついにアパートにまで押しかけてなかば誘うようにセックスしてしまった母親…。
(K子に顔向けできない…)
いまさら、後悔の念が募ってきます。
「すみません…乱暴にしてしまって…」
先生の済まなそうな声が聞こえてきました。そして、わたしに近付いて添い寝しながら介抱するようにわたしのお尻の辺りを掌で撫でてくれました。夫からもされたことのないような優しい愛撫…。
(先生が謝る必要なんかありません…)
わたしは先生のほうに向きを変えました。そして先生の首に両手を回してキスをしました。唇を重ね、そして舌も少し差し込んで、わたしは先生と『そういう関係』になった…いえ、なれたことを思いました。そして関係を続けたいと思いました。
「約束…していただけますか。K子には黙っていると…」
「もちろんです…」
先生への愛おしさが募りました。
「もちろん夫にも…。指切りしましょう、先生…」
わたしは小指を出しました。先生も素直に小指を絡めてくれました。指切りなど幼い頃のK子となにかのときにしたきりです。もちろん夫ともしたことはありません。夫以外の男と交わす約束…。身体を交わす約束…。小指を絡めたまま先生にキスしました。先生も舌を伸ばしてくれます。わたしも舌を伸ばして深く絡め合いました。セックスの前戯としてのキスとして…。
五分ほどもキスをしていたでしょうか。わたしはハイヒールも履いたままでした。そして太腿にはパンティもまとわりついたまま…。
「すみません…いきなりしてしまって」
その口調には今度は優しくセックスしようという気持ちが込められているようでした。 わたしはハイヒールを脱ぎ、パンティも脚から抜きました。
「布団に行きましょうか…」