理科教師、同僚女教師に見られて、膣内射精。-2
放課後ーー十八時頃、退勤しようと下駄箱で靴を履き替えていると、ちょうど拓真に出会う。
「お疲れ様」
襟足を弄りながら、長袖のワイシャツに、細身のスラックスと、ベストを身につけた彼は、清香に挨拶をする。
他の男性陣がポロシャツを身につけているのとは違って、体温が低いからなのか、フォーマルな格好をしている。
七月のあの件があってから、どうしても清香は、翔や拓真に普通に接することができなかった。
だが、周りを見回して、意を決して声をかける。
「きょ、今日良かったら……うちに来ない……?」
「へ? 今日? 俺だけ?」
久しぶりの声がけに、しかも自分だけという特殊さに、拓真は目を見開く。
「うん、高橋くんだけ……今、初めて声かけたから」
今日は平日のど真ん中、水曜日だ。
週末でもないのに、清香が声をかけてくるのなど珍しい。
断ろうかとも思ったが、緊急性が高い用事なのかもしれない、と拓真は思った。
周りに人がいないことを確認して、拓真は小さな声で言う。
「ん。今日泊まっていいなら、一回家に帰って、車で向かっても平気? そのまま出勤したいから。車は近くのコインパーキングに停める」
あの日以来の泊まりーーぞくり、と寒気が走った。
しかし今まで一度も、二人きりになることなど、ほとんどなかったからかもしれないが、彼は自分に性的な目を向けたことがなかった。
躊躇したが、意を決してこくりと頷く。
*
家に帰り、急いで部屋の中をある程度片付け、シャワーを浴びる。
念の為、部屋着から透けないように夜用の下着を着けた。
先日ーーまざまざと拓真の性的な部分を見せつけられたから、これまでとは違う接し方をしてしまう。
どきどきしてカウチに座っていると、部屋のインターフォンが鳴る。
NIKEの黒のポロシャツに、レギンスを身につけた清香は、玄関へと向かい、拓真を迎え入れた。
「手、洗うね。これ、ツマミとか買ってきた」
拓真はコンビニの袋を清香に手渡すと、清潔感のある男は、すぐさまキッチンで手を洗う。
黒のVネックのシャツに、スエット姿の彼は、先程のフォーマルな姿とは打って変わってラフだった。
いつも通りの彼に対して、自分が警戒していることに罪悪感さえ抱いてしまう。
「何……飲む?」
「ビール! 今日も疲れたっ」
そう言いながら、部屋に入って左側、つまりいつも泊まる時、グレーのマットレスを引く辺りに、腰を下ろす。
清香はキッチンで、二つのグラスに氷を少し入れ、拓真が買ってきてくれたビールを注ぐ。
グラスやツマミなどを盆に乗せて、清香はテーブルの上に置いた。
清香は距離を取って、対面に座る。
「乾杯」
「ん、乾杯。ごめん、忙しいだろうに……」
「平気。俺、担任とかじゃないし。今、そんな仕事ないかな。部活も化学部だし?」
グラスを鳴らした後、ごくごくと音を立てて、グラスの中身を半分ほど、拓真は飲み干す。
「んで? 本題は?」
濡れた唇を指で拭って、拓真は問う。
「わざわざ俺だけ呼んだ理由なんて、翔と、瀧岡先生には聞かれたくないことなんでしょ。あ、ちょっと違うのか。俺にしか頼めないことって感じ?」