似た者同士-2
イベント日の優子の早起きは、小学生の頃から変わりない。遠足や体育祭の日には、早くから目覚めるは常だった。しかし、今回の新婚旅行は、小学生の遠足とは比べ物にならないくらいに楽しみにしていた。
「誰か起きてないかなぁ」
暇な優子は、さっきと同じ言葉を口にして、マグロ状態の人波を散策して廻った。
すると、バイブレータを淹れたまま、優子に向けて、大股開きで寝息を立てる女が居た。
「もお、誰なのぉ?このエッチな人はぁ♪」
にやけていた優子の可愛い顔が、女の顔を覗き込んだ途端、ピクピクと引きつった。
優子と似た顔立ち、自身の両乳首を摘まんだ状態での寝姿は、優子にも覚えがあった。と言うより、優子の眠っているときの癖だ。
痴漢専用車両のサイトで、ログアウトしないまま寝落ちしたときのこと、モニタ―していた陽子に爆笑されたことで、初めて気付いた癖だった。それ以降、開き直った優子は、毎朝、起きたてにその摘まんだ乳首を捻って覚醒するのが、最近のトレンドだった。
「こ、こいつ…」
同じ癖を持つ女、それは優子の母親の良子だった。
「まったく…」
近親憎悪のためか、優子は腹立ち紛れに、そのバイブレータを乱暴に引き抜いた。
ぬぼっ…
封印された愛液と精液の芳香が、辺りに漂った。
長時間、異物を淹れられていた淫口は、ぱっくり開いたままだった。その妖しく濡れる穴に、吸い込まれそうな感覚を覚えた優子は、慌てて目を背けた。
「あううん…、ん、優子ちゃん?おはよう」
股間の刺激で目覚めた良子は、自身の両乳首を捏ねながら、娘に声をかけた。
「『おはよう』じゃないでしょ!足を閉じろ、足を!娘にナニ見せてんのよ!乳首も捏ねるな!」
優子は顔を背けながら、良子の股間を指差した。
「えっ?ナニって。あら、やだぁ、おまんこ全開だったのね。やあん、エッチな匂いが漂ってるじゃない」
ニヤニヤしながら、良子が香りを放つ淫らな穴に、自身の2本指を差し込んだ。
ぬちゅ…ぬちゅ…ぬちゅ…
「はぁん…」
片方の手の指は乳首を捏ね続け、女体の上下の快感に悶えた。
「おい!」
「ああん、ザーメンでぬるぬるしてるぅ」
「やめろ!」
奥に溜まった精液を拭った指を、良子は口に含んだ。
「おまんこの中で一晩熟成したザーメン、美味だわぁ♪」
そんな卑猥な言葉の羅列を、自分の母親からは聞きたくなかった。
「黙れ!娘の前でエッチな言葉を使うな!」
何せ、昨日まで両親は堅物だと信じ込んでいたし、性のことなど、家では禁忌のはずだった。
そんな両親に隠れてオナニーするため、自分の部屋に鍵を付けて気をつけるようにしていたくらいだ。
しかし、うっかり屋の優子は、殆ど鍵をかけ忘れていて、絶頂後に全裸で寝入った姿を、幾度も両親に晒していた。
「うふふ、今更なに言ってるのよ。昨日、お父さんに突っ込こまれながら、嬉しそうにハモってたじゃない。おまんこ〜って」
解禁した良子には、もう、娘に対する遠慮はなかった。
さっき、昨日の相手を数えるのを途中で止めたのは、父親との行為を思い出したからだ。
「ううっ…」
改めて、昨日のことを思い返した優子の言葉が詰まった。