秘書の仕事~デモンストレーション-3
「これって…」
特殊な形の診察台。それは婦人科で使用する検診台だ。
冴子も一度生理不順で婦人科にかかったことがあり、初めて見たときは驚いたのを覚えている。
「西島さんにはここで今回発表する医療機器を実際に使用してもらいます。」
「あの…今回発表する医療機器って…」
「はい、内視鏡になります。もちろん周りからは見えないよう配慮いたしますし、対応する医師と看護師も女性となっております。最初はうちの女性社員にお願いしていましたが全員に断られまして…そんなとき岡野さんがうちの西島なら協力してくれると声をかけてくださいました。
西島さん…本当にありがとうございます。」
寺岡は深々と頭を下げた。
やはり冴子はこんなことは聞いていない。知っていたら断っていた。それを勝手に引き受けたのは岡野の魂胆だろう。
「わかりました…よろしくお願いします…」
冴子はぎこちない笑顔でそう答えた。ここまで言われるとそう答えるしかなかったのだ。
***
「皆様、本日はお集まりいただきありがとうございます。今回は初めての試みとして医療機器のデモンストレーションを行いたいと思います。お手元の資料とスクリーンの映像と一緒にお聞きください。」
寺岡が簡単に挨拶と発表の流れを説明した。
冴子は検診台に座り出番がくるのを待っていた。もちろんスカートもパンティも身に付けていない状態だ。空調のせいか緊張のせいか、下半身はぶるりと震えた。
「それでは早速デモンストレーションを行いたいと思います。お手元の資料6ページをご覧ください。」
寺岡の合図と同時に検診台は上がり、下半身だけが医師が待機しているカーテンをくぐり、機械によって強制的に足はパカンと開かれた。