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杏奈と健 〜 献身 〜
【姉弟相姦 官能小説】

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杏奈と健 〜 献身 〜 -24

「母さん···」

健は母親に出て行けと言われた事を気にしていた。

「お母さんと同じ味するでしょ?」

杏奈は頬杖をついたまま健に語りかけた。

「杏奈····僕、母さんに出て行けって言われた···」

健は食べていたレンゲを置き、俯いてしまった。

「大丈夫だよ。本心じゃないから。」

杏奈は頬杖をついたまま、笑顔でそう答えた。

健は本当?という顔をして杏奈を見つめた。

「だって親だもん。子供が何をしたって、親は子供を守りたいもんなんだよ。

健が家を出て行った後ね···

お母さん泣きながら健、健、って外へ出て追いかけてたんだよ。」

健には思ってもいなかった事だった。

「それをお父さんとアタシで追いかけて連れ戻して···

お母さん、アタシに申し訳ない、申し訳ない、って言いながらも、健、健って呼んでた。

アタシは健、絶対あの競技場にいるって思ってたから、深夜スーパー行って、食材買ってきて、準備してたの。

それを不思議そうにお母さん見てたから、事情説明したら、お母さん、健のためにありがとう、ありがとうって。

健の事、どうか宜しくお願いします、って頭下げてくれたよ。
お母さんだって心配なんだよ。」

健は目を潤ませながら雑炊を啜り始めた。

健は「美味い。美味い。」としか言えなかった。

「それにね。その雑炊作ってやってくれって言ったのお母さんだから。」

杏奈がそう言うと、健は状況が理解出来なくて「?」という顔をした。

「健、熱出しちゃったから、今、寝てる。二人きりにして欲しいって頼んだけど、帰って来ていいよ。ってLINEしたの。お母さんに。
そしたら叔母さんちに泊まってるし、叔母さん、咲良可愛い、可愛いって離さないから今夜は帰れない。私の代わりに健の好きなお雑炊作ってあげて、って。」

健は再び涙が止まらなかった。

「お父さんやお母さんがすぐには元に戻らなくても、健の努力次第だと思うな。アタシ。」

杏奈はそう言って頬杖をついたまま微笑んでいた。

健は無心で雑炊を頬張っていた。

健はその後、熱が40度近くまで上がったが、朝を迎える頃には平熱近くに下がっていた。

昨日は杏奈が気を利かせ、会社に熱があると連絡していてくれたため、今日も熱が下がらないと連絡を入れてくれて、健は有給扱いで2日休むことになった。

幸いにも今日は日曜日。
健は杏奈と一日一緒にいる事が出来た。

父親と母親は朝イチで帰って来ていた。
気まずい雰囲気はあったが
「おはようございます。おかえりなさい。ご迷惑をおかけしました。申し訳ありません。杏奈ともよく話し合いました。二度と杏奈を裏切るような事はしません。それだけは信じて下さい。」
と謝罪して、健は咲良を受け取った。

咲良を抱き上げると、父親としての実感が込み上げて来た。
健は父親や母親の目も気にせずに涙を流した。

父親と母親は健のその姿を見て、これ以上健を責めるべきではないと感じていた。

健と杏奈、それに咲良は久しぶりの親子水入らずを過ごしていた。

家族全員揃ってリビングダイニングで昼食を取ると、咲良のお昼寝のために健と杏奈は自分たちの部屋へと戻っていた。

杏奈は大きなキングサイズのベッドで咲良に寄り添って寝かしつけていた。

健は騒ぎ以降、開いていなかったスマホを手にとり、LINEを開いた。

会社の同僚や先輩から数件。
そして明日香からは20通を超えるメッセージが送られて来ていた。

それはいくら送っても既読にならないメッセージへの心配を訴えるものだった。

健は暫くそのメッセージをひとつひとつゆっくりと目を通していたが、覚悟を決めたようにメッセージを打ち始めた。

「明日香。心配かけてすまない。
実は家族に君の事を知られてしまった。
君には本当に申し訳なく思う。
でも、僕は家族を捨ててまで君との関係を続ける気持ちにはなれない。
君との間の愛情に嘘はなかったと思っている。
でも僕には今の家族のほうが大事なんだ。
わかって欲しい。
もう君との関係は続けられない。
改めて君には会って謝罪したいと思ってる。
勝手なのはわかってる。
どうか意気地なしの僕を責めて欲しい。
そして忘れて欲しい。
本当に申し訳ない。
ごめんなさい。」

そうメッセージを書くと、それを明日香へと送った。

送るとすぐに既読がついた。

健は大きく溜息をつくと、スマホを閉じて、咲良を寝かしつけている杏奈を見た。

「杏奈···」

咲良に寄り添っている杏奈に声をかけると「うん?」と振り返って来た。

「今、相手の子に別れて欲しいってLINEした。
メッセージだけですんなり別れられるとは思ってない。
でも誠心誠意詫びてでも関係を終わらせようと思ってる。
もしかしたらきちんと会って話ししなきゃならないかもしれない。
でも必ず終わらせるから。
それだけは信じて欲しい。」

健は正座になり、杏奈に対して大きく頭を下げた。

スヤスヤと寝息をたてる咲良を置いて、杏奈は健へと進み寄り、そっと抱きしめた。

健は上体を起こし、それに応えた。

「杏奈、ごめん。
本当にごめん。
僕は杏奈を傷つけた。
深く傷つけてしまった。
それに対しても誠心誠意尽くすから。」

健は本当に思っている事を口にした。

「いいの。アタシには健しかいないから。」

そう言って杏奈は健に唇を重ねた。

健の目に涙が浮かんでいた。



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