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壊された扉から
【若奥さん 官能小説】

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過去からの使者-1

そろそろ梅雨が近づいてきた頃、例年のようにエアコンの丸ごと清掃をいつもの業者に依頼した。LDKと寝室の2台は常に使っているので年1回は実施している。いつも二人組で来て半日程で終わらせていくのだが、専業主婦の私にとって、たまに夫以外の男性と間近に接すると空気を伝わる体温や分厚い肉体に圧倒されて体の芯が少し熱くなる。これもレスのせいかもと感じる事に軽く自己嫌悪になりつつ、しっかりしろと自分を窘めて間もなく鳴るであろうインターホンを気にしていた。

“ピンポーン”

ちょうど9時。オートロックを解錠してから、再度鏡で顔や髪を整えてドアを開ける。挨拶をしてリビングに案内すると凄く真面目できっちり仕事をこなしそうな年配で上司格の作業員から説明を受ける。その上司格の背後から鋭い視線を若い方の作業員から度々感じて少し気にはなったがひとまずスルーしていた。上司格がリビングの大型エアコンの担当になり、若い作業員を寝室へと案内する。寝室までの通路で若い作業員の体温、体格がふっと脳裏に表れ、いけない妄想がフラッシュ映像のように浮かびあ上がる。寝室に入りエアコンの説明とリモコンを手渡す時には少しドキドキしてしていた。すると名札に登坂と表記されてるその作業員は、急に小声で、しかししっかりと

「えらく痩せて垢抜けてびっくりしたけど久しぶりですね、今は奥さん?かな‥」

と言い放ち、なんだかニヤニヤと意地悪な顔をしていた。意味がわからない表情をしてる私を見て作業帽脱いで顔を寄せてくる。それだけで鼓動が高まったが、3年前の記憶が急に蘇ると今度は心臓が止まりそうになった。

「えっ!‥‥、ひ、人違いじゃないですか‥」

明らかに声が上擦ったのに本能的に逃げ切ろうと働いた。ま、いいですけど‥と薄ら笑いを浮かべるこの顔は私が結婚前にネットの出会い系で会った男だ。想像力豊かで想像の中で凄くマゾ気質ではないかと思っていた私だが、引っ込み思案で地味女だった私は実体験が圧倒的に乏しく、性の悦びがわからないまま結婚する事に疑問を覚え、いや、想像力からくる好奇心がどうしても抑えきれなくなり、1回きりで自分を(理性的に演じて)性的に無茶苦茶にしてくれる相手を慎重に探した結果、出会ったのが彼だった。お願いします‥とだけ早口に言い残して、足早に寝室を去った。私は家事をしながらなるべくリビングの方にいるようするのだった。


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