巡らす策略、そして結論-3
奈莉は田中に会う水曜以外は家族に一生懸命になった。その反動として田中に会うとき、そのセックスは燃えに燃えるものとなり続けた。田中もそれに応えた。奈莉のすべてを愛し、官能の快感の深みへ深みへと導いていった。逢うたびに朝から夕方までホテルで愛し合い続けた。それだけで良かった。それがお互いの愛のすべてを分かり合うことだった。
しかし田中は、一抹の懸念が消えないで残り続けている。初めて中出しを二回続けたセックスの次の水曜日、生理が来て妊娠していないことは奈莉から告げられた。正直ほっとした、しかし田中自身それだけで割り切れない気持ちもあった。奈莉に子供を身籠り産んでほしいという気持ちが有ったことも事実である。残念だった。そしてその日はそういう吹っ切れない切ない想いを思いきり奈莉の身体にぶつけていった。そして前の週よりも奈莉はもっともっと大きな仕合せを感じ官能の快感は底が抜けるようにすべてを満たしてくれていた。その日は安全日であったので、田中は何の迷いもなく奈莉の請うままにまた二回続けて自分のすべてを奈莉の膣の中に放出し、注ぎ込んだ。
仕合せだった。奈莉の中に自分の精子を注ぎ込む、それはあらん限りの愛情を注ぎ込むことだった。これ以上ない気持ちのいい仕合せだった。奈莉のものほど気持ちのいい膣は無かった。
そして次の週も奈莉との時間は濃密だった。
ホテルに入ると、田中は奈莉に今週も安全日だと告げられた。そのとき田中は一瞬?という気がさして、
「奈莉ちゃん、ぼくは本音では奈莉ちゃんにぼくの子どもを妊娠してほしいと思ってるんだよ。だって奈莉ちゃんを愛しているから、こころから、、、、」
「りょうさん、、、、」
と言い、奈莉は田中の胸に顔をうずめた。
二人の間にしばし沈黙が流れた。田中は奈莉の身体を強く抱きしめていた。奈莉はしばらくして顔を上げ、田中の目をじっと見つめて言った。
「りょうさん、わたし、りょうさんの子どもが欲しい、わたしもりょうさんを愛してる、だからわたしに種をください、、、、
りょうさん、、、、でもわたしの二人の女の子を不幸にはできません。だから主人の子として産ませて下さい」
「?、、、!、、、?、、、」
田中はどう考えたらよいか、どう答えたらよいか、わからなかった。