第31話 二人とも大好き-1
「え……？ 一緒に住むの？ どういうこと、ほんとに意味がわからない」
言われたことの意味、そして事態も全く把握できない亮介。ただ、二人がニコニコしているから安心していいのかもしれない……が。
「詳しくはまた後でね。それより……アレ。ついに……だよ」
ニコっと綾乃が微笑んでくれる。
「あ……たしかにそうだね」
動揺しつつも、こういう明るい綾乃の調子は亮介を救ってくれる。
（だから大好きで、愛してるんだ）
次に揺れ出したのは一樹だ。
「アレって……何？ ケーキとか出てくんの？」
全く予想がつかない様子の一樹を見て、亮介はリラックスしてきた。
「一樹ちゃん、私の脚見て何か気づかない……？」
「あれ、そういえば家でパンストなんて珍しいね。しかも黒とか」
亮介が目で合図を送ると、綾乃は両手でスカート――ノーパン命令の時と同じフレアスカートだ――をゆっくりと持ち上げる。
「え、えええええ！ それって……」
綾乃の左右の腿に縦に走るストラップ。それを吊るすのはまぎれもなく漆黒のガーターベルトだった。
「え……いつのまに！？」
「二人で、見つけちゃったんだ……」
満面の笑みで亮介と目を合わせた綾乃。うなずいて、くるりと180°ターンする。尻肉の輪郭を描くかのように食い込むTバック。実は亮介も初めて見る綾乃のフル装備姿。固唾を飲む音が響いた。
「今日は３人で楽しむ日だしね？」
顔だけ一樹の方を向けた綾乃がまた一つ女を上げた瞬間だった。
◆
恍惚《こうこつ》としたまま綾乃の尻に顔を埋める一樹。
「いやん……」
恥じらいながらも声は朗らかだ。横から亮介が近づき、側頭部を支えながら綾乃に口づけする。
「ん……んん……」
ディープキス特有のコポコポした音が立ち始める。一樹は慣れた手つきでスカートを下ろし、綾乃の尻のえくぼに頬擦りする。
「綾乃……すごくいい……」
亮介は泣く泣くキスを中断して、綾乃の上半身を脱がしにかかる。もちろんブラジャーも黒。カップの谷間にはゴールドの微細なチャームが揺れる。
二人の男に愛されながら自分だけが下着姿でいる綾乃。もうそれだけでMのスイッチが入ってしまう。
（こんな気持ち良さって……あるんだ……）
深い安眠に誘われるかのように穏やかな表情の綾乃。亮介は愛おしくてたまらない。
一樹は、人差し指で下着越しの秘裂をなぞりながらゆっくりと立ち上がる。
「ぁ……あ……あ……」
綾乃の右手首を掴んだ一樹はそれを自分の股間に持っていく。自らチャックを開けてズボンを下ろす一樹の男根を綾乃は自律的にしごきだすのだった。
「亮介ちゃんにはおっぱい舐めてもらおうかしら……」
もちろんブラジャーは取らない。カップからできるだけ大部分の乳房を取り出すと、亮介の舌と上唇で綾乃の乳首を大切そうに転がした。
「ぁあ……いいわ……二人とも大好きよ……」
今日の綾乃は普段よりも母性に満ち溢れている。黒のランジェリーに身を纏った瞬間に綾乃のスイッチが入ったのかもしれない。
固く大きくなってきた一樹を口の中に入れようと綾乃がしゃがむ。それを察した亮介が床に仰向けになる。
「顔に乗って……。わかるよね？」
「……うん」
頬を赤らめて亮介の顔に跨る綾乃と、その正面に仁王立ちする一樹。腰を擦り付けようとするとフェラチオがおろそかになりそうで、綾乃は時々バランスを崩す。複数プレイには、どうやらコツや経験が必要そうだ。
綾乃のうなじに一樹の右手が伸び、イラマチオに移行する。
「ングッ、ンッ、ンッ、ンッ、ングッ……ハァ……ハァ……ハァ……ハァ」
「ングッ、ンッ、ンッ、ンッ、ングッ……ハァ……ハァ……ハァ……ハァ」
規則正しく息継ぎさせてもらえるが、喉奥を突かれるのは辛い時もあり目に涙がにじむ。それでも、強制的に咥えさせられる悦びの方が綾乃にとっては大きかった。しかも下からは亮介の柔らかな舌先が常にはい回っている。