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私たちが部屋を借り直した理由
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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第8話 青天の霹靂-1

 綾乃がドMだと気づいたのはいつだっただろう。ドSということはさすがに無いとは思っていたが。肌を合わせてみて確信した綾乃の被虐志向に、亮介はイラマチオ風のスイッチで揺さぶりをかけてみたのだった。

(さぁ、どう出る?)

 その心情を読んだのかどうかはわからない。綾乃は自らしゃぶりついてくれた。満点の回答をしてくれたというわけだ。一樹がその様子をどう見たかは想像がつく。さっきから綾乃の名を呼ぶか細い声がそれを証明している。

 頼まれて始まったこの寝取りプレイだったが、もう既に二人にとっては十分な刺激になったように思える。一方で自分にとっても、以前から女性として魅力を感じていた綾乃を好きにさせてもらえるという、最高にラッキーな夜になった。親友の妻という足枷は大きく、壁は高い。妄想はしたことがあっても実行に移すつもりなんて毛頭なかった。だから、この夢のようなひとときを、そしてその喜びを亮介は噛み締めていた。


 ◆


 (さっきのも恥ずかしかったけど、これもすごくお行儀が悪いな……)
 
 綾乃は69も体験したことが無かった。お互いに性器を舐め合うなんてどこか動物的な感じがするが、やってみると嫌いではなかった。舐められる快感だけでなく、奉仕する悦びというものもあるんだ――。それを教えてくれたのは亮介であり、夫ではなかった。

 (ずっとしゃぶっていられるかも――)

 ジュポジュポという音がこの空間にいる男子たちの劣情を|煽る《あおる》。亮介は更にクンニに勤しむ。

「ん、んーん、んーん……んーーん」

 口を塞がれたままの綾乃の声。もし近所の部屋に聞こえていたなら、さるぐつわをかまされた人質が椅子にでも縛りつけられている姿を想像するだろう、そんな声だった。

(なんて気持ちいいんだろう――)

 一樹を忘却の彼方に置き去りにした綾乃は、顎の疲れも気にせずこの快感に酔いしれていた。

脳内にはウユニ塩湖のような、周囲に構造物何1つない世界が広がる。
自分以外誰もいない、そんな大きな、見渡す限りの青と白のコントラスト。

さっき目を開けたのはいつだったっけ――?

それほどの恍惚の中、綾乃はいきなり現実に引き戻されてしまう。


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