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私たちが部屋を借り直した理由
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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第5話 悔恨-1

 亮介は窓を背にして綾乃に添い寝する。一樹からも綾乃の肢体全体がよく見えるはずだ。まだ全裸にはなっていないのだが、我ながらよく堂々としていられるものだと思う。パステルグリーンの下着に身を包んだ綾乃の身体を目と指で味わう。足も絡ませながら全身で肌を合わせていく。

「あ……」

 亮介は、綾乃のブラジャーから乳房を上に出し、乳首を口に含む。横腹を手のひらの微かな感触で這わせ、二の腕から肩へと伝わせる。そこから生まれた温もりに包まれ、綾乃の不安はいつのまにか消えてなくなっていた。

 (亮介君のセックスって、こんなに優しいんだ――)

 それほど男性経験の多くない綾乃にとって、亮介に抱かれるのは新発見の連続だった。下着で覆う部分以外でも、触れられると鳥肌がそば立つほどのことがあるのだ――。そんなことも、今日初めて知った。

 綾乃のクレバスはもう既に潤んで溢れそうになっている。亮介の中指がクロッチと肌の隙間に滑り込むと、クチュ……という音がした。


「あ――」


 指はヌルヌルで滑りやすくなっている入口をかすめただけだ。それだけなのに綾乃の背筋に電流が走る。まるで、近くで誰かに急に大声を出されてゾクっとした時のように仰け反る綾乃。一樹の喉がゴクリと鳴る。それは、綾乃と亮介の耳にも入るほどの大きな音だった。亮介は、一樹の嫉妬の炎を更に焚き付けようと考えた。
 
「綾乃さんかわいい、最高だよ。大好き」

「そんな……ダメだよ」

 泣きそうな声。両手で顔を覆ってかぶりを振る綾乃に、一樹だけでなく亮介も萌えた。

 亮介は綾乃の半身を起こして抱きかかえ、夫婦が互いに向き合うように座らせてあげた。左耳と頬にキスをする。下着の隙間から指が出入りするさまが丸見えになるように綾乃の足を広げる。M字開脚ほどではないが、はしたないポーズだ。一樹は上気してクラクラしていた。妻が親友におもちゃにされている。興奮しない理由なんて無い。逆光で見えないが、綾乃の秘唇は、雪融け水で流れを速くしている春の小川のようにあふれている。

「あ……あぁ……き、きもち……いいよぉ……」

 声を震わせながら綾乃が啼く。節目がちだが時折一樹と目が合う。快感に負けてつい瞼を閉じてしまう綾乃。それはいじらしく映ると同時に、普段の自分に見せる姿とは違っている――。一樹はそのことに腹立たしさや絶望を感じた。

(綾乃が欲しい……今すぐ)

(このままもっと気持ちよくなったら綾乃はどうなってしまうんだろう……)

 一樹の中で、アンビバレンスな二つの感情が戦っている。

 嫉妬で気が狂ってしまいそうだ。
 もうたくさんだ。
 二人を引き離してしまいたい。
 
 だが、寝取られの依頼をしたのは自分だ。
 ここで撤回するのはあまりにも身勝手過ぎる。
 綾乃だって、私の無理な願いを受け入れてくれたじゃないか。

(どうしよう……本当にどうしよう……)

 どれほどの間うつむいていたのかはわからない。しかし、聞いたことのない綾乃の声が耳に飛び込んできて、一樹は思わず反射的に首を上げた。


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