土曜の午後-1
久保田家玄関前
句美子、小百合、詩織はチャイムを鳴らす
恵美子が玄関にやってきて
「いらっしゃい あの子 居間で待ってるよ」
「「「おじゃまします」」」
「それで おさむくん 朝ご飯は?」
句美子は続けて恵美子に尋ねると
困ったように
「いつもと変わらず少ししか食べてないわ」
「まったく食べてないよりは…」
「そうね 昨日は朝と昼 まったくだったから
それに比べたら 今日もくみこちゃん達に面倒かけるのは
ごめんなさいね」
「「「いえいえ」」」
4人は居間にやってきて
句美子達はおさむのところでしゃがむと
挨拶をしたあと句美子がおさむに話しかける
「今から作るね」
「うん」
3人ともエプロンを着けて準備をすると
台所に向かう
………
…………
しばらくして3人が作り上げた塩ラーメンを
恵美子が居間に運んでくる
句美子達は後片付けをしたあと
台所から居間に戻ってきて
句美子がおさむの右隣に座る
左隣に詩織と小百合が並ぶように座ると
句美子がおさむに問いかける
「わたしが食べさせるけどいい?
しおりちゃんかさゆりちゃんがいい?」
驚いて詩織と小百合の方を見ながら
うつむきつつ句美子を指を差すおさむ
それをみた詩織と小百合は
「気にしなくていいのに…」
「くみこちゃんがいいのはわかってるから」
だって
「わたしは明日するから」
「わたしは…このあと ババロアも持ってきてるから
部屋でわたしが食べさせるからいいよね」
詩織も小百合も代替案を言って
おさむに気にしないように諭す
「じゃあ、食べましょ 今日はねぎと白菜とほうれん草かな
冷蔵庫にあったもので作ったから」
句美子がラーメンの説明をしたあと
各自食べ始める
「熱いから さますね ふぅ…ふぅ…ふぅ…はい、あーん」
いつもありがと
「うん」
そんな様子を恵美子は見ていて
「くみこちゃんは昨日も今日も…ありがとうね」
「いえいえ おさむくんもわたしの言うことは聞いてくれるから」
「そうね くみこちゃんにはかなり心許しているよね」
「それが嬉しいので」
「中学高校とあがるときは無理しないでね」
「はい…」
(無理はしないつもりだけど
基本的にひましてると思うから変わらない気がする)
お昼ご飯を食べ終えると
恵美子が句美子達に後片付けはするからと伝える
その際、小百合は台所に行ってババロアを皿にわけていき
句美子と詩織もその手伝いで台所に行き
準備をすると
「ババロアと飲み物はわたしと詩織ちゃんで運ぶから
くみこちゃん おさむくん おしっこさせたりして」
「あ うん わかった ありがと」
句美子はおさむを連れてトイレに行き
おしっこをさせてから部屋に連れて行く
小百合達は先に部屋に着いており
畳の上にお盆を置いていた
句美子達が入ってくると小百合が扉を閉めて鍵をかける
句美子はおさむをパソコンの前に座らせると少し後ろ座る
おさむは句美子達を見て
ゆきちゃんのこと
「あ うん ゆきちゃんからきいた」
あやちゃんがせっとくしたの?
「そうみたい」
そうなのね
「ゆきちゃん しばらくはここに来ないと思うから
安心していいよ」
「うん」
句美子は話が一段落したのをみてから
話題をかえる
「昨日 わたしのお母さんにおしっこ介助してることとか
知られたけど お母さん秘密にする代わりに
おさむくんとえっちしたいって」
「「え?」」
句美子が話したことに
詩織と小百合はびっくりして声を上げる
ゆいちゃんからきいた
それで くみこちゃんのいえに
ふたりきりはむり
「くみこちゃんの家?」
「平日に連れて行く計画してるの? くみこちゃんのお母さん」
小百合と詩織が句美子に問いかける
「月水金のどれかがいいかなとかは話はしてたけど
料理教室 真治くんもいるからどうするのがいいのかなって」
「あ 弟をおばさんに頼んでいたもんね」
「うん 料理教室を休むのも悪いし
わたしとお母さんだけ欠席する形でが無難かなとか」
「確かに それがいいよね」
「うん」
句美子の話に小百合も詩織も頷きながら答える
でも ちひろさんとふたりきりで
くみこちゃんまつのはむずかしい
「それって…コミュニケーションのことだよね?」
「わたしたちみたいに空書読み取り慣れしてないと
会話するのが難しいよね」
「うん わたしたちも最初は大変だったし」
できたら
ゆみちゃんがいてくれるほうがいい
「そっか そうすると
月水金のどれかにおさむくん ゆいちゃんちにつれていくの?」
「火曜木曜はわたしたちがするから驚かせるだろうし いきなりだと」
「そうよね 次の火曜日はわたしがお風呂だよね」