昼下がり-1
裸で感じるシーツと密着している肌。
窓から風が入ってきてカーテンが揺れてるのをぼんやりと見る。
あと1時間したら家に帰らないと、、、
限られた時間だから、欲しくて欲しくてたまらなかった。
小洒落た雰囲気で甘えん坊で女の扱いが上手い彼は
わたしを簡単に惚れさせた。
わたしは甘い言葉を何度も投げて彼に優越感を与えた。
わたしは彼の声が好きだった。
低く落ち着いた声の裏には、少し高く透き通った地声が隠れている。
隠れた地声が出てきた時に心は弾むのであった。
「かわいい。かわいい」
わたしは何度も彼に可愛いと伝える。
セックスの時だって、ベッドで寝転がってる時だって眉毛やまつ毛、鼻の下の髭や口の下の髭の剃り残し、、、、彼の全てを触りながら私は彼を可愛がる。
彼の熱く反り立ったものが私の中に入ると
あまりの気持ちよさに涙を流しながら喘いでいた。
何回絶頂に至ったか分からない。
何度も何度も絶頂がきて脳は真っ白で体は痙攣していた。
彼との関係に気持ちよさを知ったことは罪だった。
彼との関係は半年ほど続いた。
もしも今彼とまたセックスができたとしても、
あの時のようなセックスはもう2度と出来ないであろう。
彼が気に入っていたChloeの香水も今はもう、
わたしとの思い出を上書きするぐらい嗅いだであろうし、
今頃はシャネルやトムフォード、メゾン マルジェラや
少し汗ばんだ香りや柔軟剤の香りに包まれているんだろうな。
「はるのって猫みたい」
ベッドで戯れあっているとき
彼が言った言葉に深掘りしたくなる自分がいた。
おしまい