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知らぬ間に美人局の加害者にされた女性
【その他 官能小説】

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女性抜きの美人局-1


皆さんにとって、散々聞き飽きた話から始めます。まあ、聞いて下さい。

A子とB子は大の仲良し。キャバクラで一緒に働いている。 

A子には店に来たお客と懇意になり、ホテルに行く間柄となった。彼は妻子持ち、A子もそれは承知、会う度に幾らかの小遣いをもらっている。やがて、そのお客はA子と会うのは段々とへり、月一程度となってしまった。理由はよく分からない。彼も金が切れてきたのか、仕事その他で忙しくなったのか、或いは飽きてA子に飽きてきたのか。でも、月一回でも会う位だからまんざらでもなさそう。

結局、A子とそのお客は疎遠になってしまった。このお客は仮に田中と呼んでこれからお話する。

さて、A子とB子は何でも話す間柄。
B子はある男とねんごろ、ベッドをともにする間柄。ある日、B子のことをその男に話した。

その男、自分ではやくざ気取り。大ホラ吹き、「次の幹部は俺だ」なんて平気で言う。その世界のことはやたらと詳しそうだ。ただ、やたらと喋りすぎる。こんなこと喋って大丈夫なのかな、なんて思いたくなる時が多々ある。多分本物のやくざには相手にされていないのだろう。
やくざ気取りのこの男を仮にホラ吹きと呼んで話を進める。

さてこのホラ吹き、何を思ったか、A子と一度関係した先ほどの男、田中から金を巻き上げることを思い付いた。何でももめ事を起こすのが好きなのだ。

ある日、電話で「おい、俺の女によくも手を出してくれたな」「誠意を示せ。何?どのようにだって?そんなこと、自分で考えろ!」「まあ、あんまり無茶は言わんよ。仏様と言われているからな。ただな、日頃から可哀想な女の子らの面倒をみとるんじゃ」、とその場かぎりのでたらめを言う。

ある時はどこかの大幹部、ある時は、弱い立場の女性を守る侠客気取り。もめ事があれば、いやもめ事がなくても首を突っ込む。

結局のところ、田中氏はホラ吹き侠客に幾らかの金銭を渡した。田中氏はA子にはもう連絡は取らなくなったが、A子から田中氏に電話して全てが分かった。

B子も含めて皆さん全てが分かり、円満に収まった。

しかし、お互いの不信感は残ったままで、お互いに付き合いはない。

(おしまい)


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