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妻を他人に
【熟女/人妻 官能小説】

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初めての性接待 (1)-6

『いやー、今日はほんとありがとうございました、麗美さん』
『いえいえ、どういたしまして』
 自分たちへのお礼はないのかと身振り手振りで催促する残りの二人。
『誰かさんらのせいで一時はどうなることかと思いましたが、おかげでいい映像が撮れたと思います!』
『すみません……あとで叱っときます』
『じゃあ最後の締めとしてね、ゆきさんのイメージアップにつながるようなね、さっきのおのろけエピソードじゃないですけどファミリー層に受けそうな話のひとつふたつ、もしあれば頂いてもよろしいですか? いちおうゴールデンの番組なんでね』
『そうですねぇ……』
『やっぱり既婚者さんということですから。ほのぼのした話で締めときましょか』
『A社さん番組スポンサーやし、好印象な話でゴマ擦っときたいちゅうことですね?』
『あはは。まあそういう大人の事情もありますんでね、くれぐれもほのぼのでお願いします、ほのぼので!』

 華子と真由の目がギラリと光った。

『最近ゆきさんね、旦那さんとの「あっちの方」がお盛んなようですよ? おほほ』
『ほのぼの言うてるやろ!』
『夫婦生活のことですよ? おほほ』
『言わんでええ!』
『あーもう……あんたたち』

 最後のくだりには内容がわからないレベルまで「ピー」が入れられたのは言うまでもないが、とにもかくにもインタビューコーナーは無事終わり、カメラはスタジオへと戻された。

「ふぅ。なかなか面白かったわ。あんたたちの暴走もなんとかうまく編集してくれてたわね」
「ぶーー。なんか私と華子の扱いひどくないー!?」
「完全にお笑い要因にされてたー」
「ふふふ、自業自得でしょ」
「麗子さんばっかいいとこ持ってってずるいー!」
「あれでもちょっと待って。SNSであんたたち話題になってるよ?」
「え?」
「なんですって?」

 SNSには放送中からさまざまなリアクションが投稿されていた。

「ほら。『A社の漫才コンビ草』だって」
「ま、漫才……」
「期待してた反応と違う」
「あー! 麗美は『美人お姉さんハァハァ』だって!」
「きも」
「いいじゃない、美人扱いなんだから。ウチらときたら……」

 三人の関心ごとは「ネットの反応」へ移る。
 麗美が楓に似ていると話題になっていたのは想定内だが、華子と真由に対してもそのキャラクターに好意的な反応が多く見られた。また麗美ほどではないが容姿を褒めてくれるポストも散見され、二人の溜飲もわずかに下がる。

「『楽しくて美人さんのお友だちに囲まれてゆきさん幸せだなー』だって!」
「ようやくみんな私の美貌に気がついたようね」
「ふふふ、『ゆきぜんぜん女に嫌われてないじゃん』って……あの子どんだけ女に嫌われる女だと思われてたの?」
「他にもある。『ゆき普通に同期女子と仲良くやってそうで和んだ』、『朗報。ゆきのあざとさ、素だった』……。あはは」
「心配されてて草」
「ひょっとして私たちあの子の人気に貢献してない?」
「してるしてる」
「女の人からの支持率アップが著しいわ」
「これはカフェ代おごりくらいじゃ利きませんわね。おほほ」

 憎まれ口を交えつつ、三人とも嬉しそうである。
 美魔女活動以来、親友が有名になっていくのを応援する一方で、はたしてネットリテラシー皆無のゆきがあらぬ誹謗中傷などで心を傷めないか心配していたのだ。だから今日の放送でのポジティブな反響に、みな我が事のように喜んでいる。

「ゆきも番組一緒に楽しみたかったね」
「メッセージ送っとこ」
「私も」
「既読つかないね」
「まだ接待中じゃない?」
「接待ってさ、どんなことするんだろね?」
「ねー」

  *


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