回送列車-2
「自分はマゾじゃないと、本気で思ってるんだな」
予想に反した、呆れにも似た隆の声音に美伯は心底驚いた。レイプした女から受けた侮蔑に気分を害した様子は欠片も無く、虚勢を張っている訳でもないようだ。
隆はそう言った後まじまじと美伯を眺めて、返ってくる表情に愉快そうな眸をした。
「本当に、俺が指導してやる必要があるらしい」
細めた目に邪悪で淫靡な光が宿る。
「何を…」
「電車の中で、何回イった?」
美伯の反論を遮った隆の質問に、体中の血が逆流する。
「なん…っ、何を、言って……」
動揺のあまり余計な事を言いかけて、焦って言葉を変えた。電車の中での事を思い出したくない。
血液の圧力が脳と肌に恥辱の記憶を呼び起し、体の特定の場所を硬くしていく。
「思い出したらしいな。あの時もこんな風にビン勃ちにしていた」
隆の指先がクリトリスの先を走る。美伯はどうにか声を抑えられた事に感謝した。
「終点に着くまでエロ突起を勃ちっぱなしにして、必死に黙り込んでたよな」
「…っ!」
睨みつける美伯など気にかけず、隆は続ける。
「マンコがトロトロになるほど感じてるのがバレないよう必死だったんだろ?」
「…く」
「股からスケベ汁の匂いがプンプンしてたから車両の男は全員気付いていたと思うぞ、ハハハ」
話しながら淫豆を撫でさする。
悔しさと快感で頭が真っ白になっていく。全身の気力を振り絞って理性を保たないと、今にも牝の声が漏れそうだ。
「乳首もすごい勃ち方をしてるぞ。あの時と同じように相手してもらえなくて寂しいか?片手が空いてるし、絞ってやろうか?」
「やめてっ…!!」
「電車ではギュッとつまんでやっただろ。クリの方もしっかりと」
「うるさいっ!」
全神経が乳首の先に集中していく。周囲の人混みに押される中で捕まったままの牝突起を思い出し、息が上がる。
「コチコチの乳首とキンキンのクリ豆を潰されてこねられて、引っ張られて、絞られて」
「くぅぅ…っ」
「乳首の方はフリルの中に指先をつっこんで見えなかったからやりたい放題だったぶん、しっかり悦ばせてもらえて嬉しかっただろ」
「…っ!」
ブンブン首を振る。隆はおもしろそうに話を続けた。
「指の腹でいじめるだけじゃなく爪でもしごいて、乳頭に喰い込ませて弾くように掻きながら先っちょを余った爪で撫でさすってカリカリしてやって、たまにギュッとひねると体中ビクつかせて。
痴漢指で乳首イキしまくってたよなぁ」
「ヒてないッ!!」
堪らずあげた怒声は牝の悦びに蕩けてうわずっていた。
「クリの方は優しく撫でてやったが、つねられるよりそっちの方が良かったんだよな?腰を振って応えてたし」
「良くなイッ!!感じてないっ!感じてないィ〜ッ!!」
ほとんど絶叫しながら美伯は尻を振っていた。隆の指が与える快感でクリトリスに火が点き、もう耐えられなかった。
なんとか我慢しようと溜めてきた快楽で燃え立つ牝穴から溢れる汁が恥部をドロドロに濡らし、淫らな匂いを放っている。これ以上は限界だった。
牝の鳴き声を出すくらいなら尻を振って発散した方が、まだ言い訳が立つ。
「放してっ!もう嫌!やめてっ!!やめてぇっ!!」
「電車ではあんなに大人しくレイプされてたのに、どうしたんだ?」
「違うっ!身動きが取れなかったからっ…あんっ!!」
ビクリと一際激しく腰を反応させた美伯が黙り込む。
「荒い息を殺して何度も爪先立ったり、尻を揺すったり、爪先を丸めたり、一人で忙しくしてたのは抵抗してるつもりだったのか?
無理なんだよ、マゾ肉でできた体なんだから、な」
「ンんん゛ッッ!!!」
乳首を押し潰された瞬間、電撃が走りイってしまう。
「あっ…ハぁっ…アぁ……ア…」
膝が開いて淫唇が丸出しになっている事に気付き、震えながら脚を閉じる。
スケベ汁にまみれた花唇は、隆にしっかり拝まれてしまっただろう。
(恥ずかしい…嫌だ…こんな…)
さっきまで自分が優位に立っていたというのに、あっさりと覆された事がいまだに信じられない。
(このまま、イジメ抜かれて…犯されるんだわ。びしょ濡れのアソコにペニスを深々と埋め込まれて、掻き回されて)
隆のパターンを思い描くことで来るべき陵辱に備えようと、美伯はぼんやりした頭を働かせる。
「クク…痴漢電車と同じ目に遭わせてやる。マゾ快感をじっくり味わうといい」
「…え…」
ゴロリと横に寝かされ、後ろに回った隆が牝突起をつまむ。
「ン…っ」
「ほら、思い出したか」
「う…く…」
脚をガッチリ固定され、直立した格好で動きを封じられる。
「マゾじゃないならあんなに悦ばないし、あんなにイキまくらない。そうだろ?」
「…っ…!」
静かな山奥の空気と、張り詰めた電車の雰囲気がシンクロし、美伯の肉体に浅ましい焦燥の体験を再現させる。
「お前はただじっと、乳首痴漢に夢中になってイキ続けていた。クリも悦んでいたが、マゾの快感は乳首の方が強かったんだよな?尖り方がまるで違ったからよく判ったよ」
「くぅうう…い、いや…」
抗う間も隆の指に捕らえられた牝肉が四肢に快楽を伝え、正常な意識をじわじわと奪っていく。少しでも抵抗の意志を示そうと身をよじると叱るように爪が喰い込み、掻かれる。
あの時とまったく同じだった。
(イヤ…思い出しちゃダメっ、思い出すんじゃないっ…!嫌だっ!)
頭を振ることもできず、ただただ歯を食いしばるしかなかった牝の悦楽の地獄。周りに気付かれないよう、吐息を漏らしては恥ずかしさで耳を染めていた時間。
「ァうっ…!ふっ…くぅんっ…!」
隆の指は美伯の反応を見逃さずに咎め、嬲った。