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杏奈の気持ち 〜 秋陽 〜 杏奈と健
【姉弟相姦 官能小説】

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杏奈の気持ち 〜 秋陽 〜 杏奈と健-5

アタシは高校受験を意識しなければならず、次第に健への意識も薄れていったんだと思います。

そんな時でした。
健が晩御飯の時に「陸上やりたい。」と両親に告げたのは。

「マラソンやりたいんだ。どこまで自分を高められるのかわからないけど、やってみたい。」

そんな真剣な告白に、両親も反対する理由を見つけられず、お父さんは「やってみろ。何かひとつの事に挑戦するのは大変だぞ。でも、自分が決めたことなら、やり切ってみろ。」と後推ししていました。

その日から健は人が変わったように、いつも走ってた。

朝は誰も歩いていない時間から部の朝練に出て、お昼の休憩時間にも校庭のトラックを走る健の姿が見えてました。

夕方も部の練習に参加し、家へ帰って来ても、晩御飯を食べて、三十分もすると、家の近所を走るようになっていきました。

こんな生活、続くのかな?
ずっと走ってるじゃん。健。
そんなに走ってばかりいると身体壊しちゃうよ。

心配は毎日募るようになっていました。
それでもそんな心配を他所に、健は雨が降っても、雪が降っても走り続けていました。

やがてアタシは高校も志望校に受かり、健を置いて高校生になっていました。

健は中学2年生になると、出る大会で記録を残すようになっていました。

8位入賞、5位入賞、健はどんどん記録を伸ばすようになり、アタシの中学の同級生からLINEでメッセージが入るたびに健を意識せずにはいられなくなりました。

健が夜の食後に走りに行くと、アタシは健がどんな練習をしているのか気になって、自転車で後をついていくようになりました。

もちろん隠れて健に気づかれないように、です。

健は家を出て、大きな幹線道路の歩道を何キロにも渡って走っていました。

そのスピードは自転車でもかなり頑張って漕いでいかないと引き離されるほどのモノでした。

家から5キロほど離れた運動公園に健は入って行きます。

そこには陸上用の立派な施設があり、ナイター設備も整っていて、健はそこに着くと、入念に柔軟体操を行った後、トラックをひたすらに走って行きます。

ゆっくりと走っていたかと思えば、急にスピードを上げて猛ダッシュ。そしてまたゆっくりと走っては、猛ダッシュ。

それを繰り返しては、自分を追い込んでいるのが見て取れました。

アタシは自転車を置いて、観客席の一番上の隅っこにできた影に隠れるようにして、健の姿をずっと見ていました。

スゴい健。
毎日こんな事やってるの?
どうすればこんなに自分を追い込められるの?
辛くないの?
スゴい。
スゴい。

アタシは一瞬たりとも目を離すことができませんでした。

この間、健が休憩を挟んだのは、水分補給のために取ったわずか5分ほどでした。

1時間ほどそのコースをただひたすら走り、健は運動公園を後にして、また家へと走り出します。

アタシも慌てて自転車置き場へと駆け下り、自転車で健の後を追います。

自転車に乗るまでに、健との距離はかなり離れてしまいます。

汗をかくほど全速力で自転車を立ち漕いで、やっとジャージ姿の健をみつけました。

20メートルほど後ろで距離を置いて、健の姿を確認しながら後に続きました。

その中でも健は急にスピードを上げたり、元のスピードに戻したりを繰り返していました。

もしかして、後ろについて来てるアタシに気づいた?とも思いましたが、そうではなく、健は道路が少し上りに差し掛かると、負荷をかけるようにダッシュしていたのです。

スゴい!
スゴい!
こんな練習してるなんて。
なんてスゴいんだろう。

アタシは胸が熱くなるのを自分で感じていました。

健が家へと入って行くのを確認してから、アタシは自転車を降り、物音を立てないように玄関へと続く階段を自転車を抱えて上がり、座り込んで音を立てないようにスタンドを下ろし、そっとドアを開け、誰にも気づかれないように注意しながら自分の部屋へ戻りました。

その自分の行動にもドキドキしていましたが、頭の奥に焼き付いた健の練習風景。

それを思い起こす度にドキドキが止まらなくなり、健、スゴいよ。カッコいい。

そう思わずにはいられませんでした。

健がお風呂から出てきて、ベッドへ倒れ込む音が聞こえ、「アーッ!」と大きく息をつく声も小さく聞こえて来て、ドキドキは更に大きくなった気がします。

アタシも汗をかいていたので、お風呂に入り、再び自分の部屋へと戻った時には健の部屋から物音がする事はなく、健、寝ちゃったんだな、と、それでもあの健の練習風景を思い出してはドキドキが止まらなくなり、悶々とした夜でした。

その後も毎日のようにアタシは夜になるとそっと家を出て、健の姿を追い続けました。

毎日毎日、健の姿を追う事でドキドキを楽しんでいたのかもしれません。

雨が降ったり、雪の日はさすがに追えなかったけど、自分の部屋で健の姿を思い出しては雨や雪の中を走る健の姿を想像していました。

事故にだけは気をつけてね、と願いながら。


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