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巨乳女体育教師の相談事情
【教師 官能小説】

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許婚という関係-4

「‥‥とにかくだ。今日知った私と永介の関係は学校には内緒にしててくれ。許婚とわかると色々面倒なことになるんだ」

 話し終えた京子は、神妙そうな顔つきで総一に言う。

「あ、それは聞く前にも約束しましたけどちゃんと黙っておきます」

 念押しする京子に総一はグッと拳を握ってその思いに応える。

「そうか。ありがとう」

 礼を言う京子の表情は学校で見ているいつもの教師としての顔だった。

「あぁ、言いたいこと言えたからスッキリした!やはり誰かに愚痴を言うべきだったな」

 すっかり元気になった京子の様子に、既に話は終わったような雰囲気だが、総一は心にモヤモヤが残っていた。

 もし、ここが学校だったらこのまま休み時間が終わりそうなところで教室へと帰るところだが、あいにく今は休日でここは外だ。総一は率直に京子へ疑問をぶつける。

「けど、それじゃ先生の悩み自体はまだ解決してませんよね?」

「いや、それはそうだが‥‥」

 総一は再び京子の表情が曇るところは見たくなかったが、現時点でもはっきりとわかっている事実だ。それが気になっているかぎりは、このまま帰るには忍びない。

「でも、先生が悩んでるなら俺は力になってあげたいです」

 これが先生への日頃からの感謝の念なのか、あるいはただの同情なのか。それはわからないが、力になってあげようと思っているのは紛れもない総一の本心であった。本音を言えば、先生ともっと親密になれるかもしれないという欲の方が強いのだが。

「北森‥‥いや、気持ちは嬉しいがな」

 困った顔でポリポリと自身の頭を掻く京子。

 一方、先生を困らせたい訳じゃない総一は、短い時間の中で足りない頭で必死に考えて、自分の意見を述べる。

「あの、じゃあ‥‥俺が時々は今日みたいに相談に乗るってのはどうですか?」

「え?」

「俺も天上寺と同年代の男子ですよ?同じ男子ならわかることもあります」

「それは、まあそうだろうな‥‥」

 京子は総一の意見に理解を示す。

「許婚のことって誰かに話しました?」

「いや、内容なだけに知ってるのは当事者らを除けばお前だけだ」

「今日みたいに相談に乗りますよ」

「でも、私の個人的な事情だぞ?お前にはメリットが一切無いだろ?」

「うーん、先生と仲良くなれるっていいと思いませんか?それに、こっちも相談に乗ってもらいましたし、恩返しさせてください」

「けどなぁ‥‥本当にいいのか?」

 京子は総一に視線を送る。その表情は半信半疑、という感じだ。生徒のことを果たしてどこまで信じられるのか、と思っているのだろうか。

「俺は先生を信じてます。だから後は先生が俺を信じてくれるかどうかです」

 そんな京子に、あえて余計なことは言わず信じることだけを総一は告げる。

「‥‥わかった。最近お前と出会ったのもなにかの縁だろう。お前のことを信じてみようじゃないか」

 総一の熱意が伝わったのか、京子から信用を勝ち得た。

「じゃあ気軽に相談できるように互いの連絡先交換しようか」

「いいんですか?」

「ああ。体育祭実行委員で一緒になって以来だが、北森は誰かに言いふらすようなタイプじゃないって私は信じてるからな」

 そう言うと京子はスマートフォンを取り出す。総一も同じようにスマートフォンをGパンのポケットから取り出した。

「それって同じ機種同士じゃないよな?」

 京子が自身のスマートフォンと比較して見ながら尋ねる。

「あ、機種は違いますけど、スマホのアプリの機能を使えば交換は気軽にできますよ。たとえばこのアプリとか‥‥」

 総一は画面をタッチしてスマートフォンのアプリの一覧から、連絡先の交換に用いられるアプリを起動してみせた。

「私、そのアプリはダウンロードしてないんだが‥‥」

 遠慮がちに告げた京子の言葉に総一はすぐに対策を講じた。

「じゃあダウンロードできるサイト教えるんで、検索サイトに今から言うワードを入力してください」

「う、うむ‥‥」

 こうして多少の時間がかかったが、総一はスマートフォンのアプリの機能を使って電話番号やメールアドレスなどを京子と交換した。

「あの先生、良かったらこの後一緒にご飯とかどうですか?」

 ちょうどお腹も空いたことですし、と総一は京子を昼食に誘う。しかし、誘われた当人は自分の衣服を見下ろしながら困ったような表情で、

「いや、私はこの格好で食べに行くのは‥‥正直家に帰ってすぐにでも脱ぎたいんだ。だからごめんな」

「そうですか‥‥」

 誘いを断られて総一は少し残念な気分になる。

「またの機会に誘ってくれ。じゃあな」

 それだけ言うと、京子は背を向けて去っていく。

 名残惜しい心境を隠しながら総一は京子を見送る。遠くまで見えなくなるところまで見送るとふぅ、とため息をつく。一緒に昼食を食べられなかったのは惜しかった。こんな機会そうそう訪れはしないだろうに、と。

「(ま、今日は連絡先を交換できただけよしとするか‥‥)」

 一定の収穫は得られたので、総一はそれで納得することにした。

――ぐーー

「(あ、腹減ったなぁ)」

 総一は空腹感にお腹を手で押さえて、改めて今日はどこのお店に行くか考える。その時、ふと自身のスマートフォンの画面の方に視線が向く。画面をタッチしてアドレス帳の欄を開く。そこには今までなかった”今橋京子”の名前がある。

「(もしかしてこれを切っ掛けにして、もっと先生とお近づきになれたりして‥‥ぐふふっ)」

 総一は画面を見ながら、一人ほくそ笑むのだった。


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