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巨乳女体育教師の相談事情
【教師 官能小説】

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許婚という関係-2

「――ふぅ‥‥ちょっと疲れたな‥‥」

 午前中、お店を見て回った総一は駅前の噴水広場のベンチスペースに腰を下ろす。ポケットから取り出したスマートフォンの待ち受け画面から時刻を確認すると午前11時50分を指し示しており、時間的にもお昼時だ。お腹もいい感じに空いている。

「(お昼ごはんどうしようかなぁ。せっかく街まで来たから外食でもしていこうかなぁ)」

 総一は脳内でお昼の外食のメニューを思い浮かべる。ラーメン、カレーライス、カツ丼、ハンバーグステーキ。想像したら思わずよだれが出そうになる。

「‥‥ん?」

 よだれを手で拭おうとすると、視界に映る人々の顔ぶれの中に見知った顔を見つけた。

「楽しかったね京子姉ぇ」

「そ、そうだな」

「(あれって、今橋先生?)」

 自分と同年代くらいの男子の側で、京子は苦笑している。

 彼女の格好は、いつものジャージ姿ではない。白い半袖のブラウスは女子生徒らが着る物とはワングレードほど品質がよくデザインもいい。腰回りがきゅっとしている小豆色のロングスカートは背丈の長い身体を引き立たせる。足元はクリーム色のパンプスで大人らしさを表している。
 
 普段の姿を知っている総一からすれば意外すぎる私服姿だった。そんな女教師の意外な私服姿に総一は少し離れた所からしばし見惚れるが、側にいる自分と同年代の男子の存在にも目がいく。

 その男子は英字の書かれた白いTシャツに迷彩色の半ズボンを履いている。髪は男子にしては少し長め、顔は整っていて特に目がキリッとしている。

「(相手の男って確か‥‥2年B組の天上寺か‥‥?)」

 天上寺永介。高校の水泳部に特待生枠として入学してきた男子で、平泳ぎのタイムは全国クラス。成績も優秀。おまけに、顔は二枚目で整っているときている。同学年でありながら自分とは生まれも育ちも違う男子だ。

「(何で天上寺と居るんだ?)」

 珍しいツーショットであった。運動系という共通点はあるが、いまいち接点が浮かばない。

「(そういえば、天上寺って誰かと付き合ってるって聞かないよなぁ。まさか、その相手が今橋先生?)」

 美男美女の組み合わせ。確かに絵にはなる。絵にはなるが、総一はそれを受け入れたくなかった。見ていると腹の底からムカムカと嫌なものがこみ上げてくる。

 元から天上寺永介には対して良い感情を持ち合わせていない。直接な恨みつらみがある訳ではないが、単純に嫉妬や劣等感を刺激されるのだ。そんな相手が、学校でも慕う数少ない教師の今橋京子と一緒に居るものだから総一からすれば発狂ものである。

「(天上寺め。先生に手出してるならただじゃすまさないぞ‥‥!)」

 そんなことを総一が思っていると、二人の間で動きがあった。

「じゃあ、この後学校で水泳部の練習あるからまた月曜から学校でね」

「大事な時期に無理してデートしなくてもよかったんだぞ」

「オレ、京子姉ぇのこと今度のインターハイと同じくらいには大切に思ってるからさ」

「永介‥‥」

「じゃ!」

 手を振って永介はこの場から走り去って行く。

 一人、残された京子は両手を腰に当てて、「ふぅ‥‥」とため息をつく。

 初めて見る私服姿に総一はしばし見惚れ、声をかけようかと迷ってしまう。その間に京子の方から偶然に目と目が合う。

「‥‥え?も、もしかして北森?」

 見覚えのあるの生徒の存在に気づいて、震えた様子で指差す京子。

「あ、先生どうも‥‥」

 軽く会釈する総一。しかし、京子の方は気が気じゃないらしく、慌てた様子でこちらにツカツカと歩み寄ると、その勢いのまますごい剣幕で勢いよく尋ねる。

「何でお前がここに!?ま、まさか今日のデートを付けて来たのか!?」

「え、デート?じゃあやっぱりさっき一緒に居た天上寺とデートしてたんですか?」

 総一が冷静に誰と居たかを指摘すると、

「あ‥‥!?」

 京子は口元を両手で押さえる。墓穴を掘った、と言わんばかりにあたふたしている。

「えっと‥‥とりあえず、どうです?」

 総一は自分の隣に座るように促す。

「あぁ‥‥」

 京子は力なく頷くと、総一の左隣に腰を下ろす。

「それでさっきの話なんですけど‥‥」

「その理由を話す前に一つだけ約束してくれ」

「なんです?」

「学校のみんなには内緒にしててくれないか?先生の立場上、バレると少々‥‥いや、結構まずいんだ」

「それは別に構わないですけど」

 約束してもしなくても総一は言う気はなかった。仮に言ったところで、周囲の生徒から好奇な目で見られることが想像ついたからだった。そうなったらこれからの学校生活は増々辛くなる。

「‥‥約束だぞ?」

「はい」

 口約束とはいえ、ちゃんと約束を交わすと京子は満足そうに頷く。そして、理由を話し始める。

「そうか。実は私と永介はな――許婚の関係なんだ」

 語られた内容は総一にとって衝撃的だった。


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